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1歳

さて、本日誕生日を迎える向きは多数いらっしゃると思うが、上野動物園のジャイアントパンダのシャンシャンも本日で目出度く1歳の誕生日を迎えた。ちょうど一年前の当欄で出産を取り上げた際に「三度目の正直」とタイトルしたように、これまで糠喜びに終ってきた経緯があっただけにその歓喜も一入であった。

実に29年ぶりとなる子供パンダの公開ということで、昨年の上野動物園の入園者数は両親であるリーリ−とシンシンが中国から貸与された直後の11年度から6年ぶりに450万人を超え、今年は2月から先月までの整理券で先着順での公開は前年同月を9〜18万人上回るペースと依然その増加ペースは衰えない。

とはいえ貸与元の中国との協定でこのまま行けば2歳を迎える来年の今頃には中国にシャンシャンは返還ということになる。パンダは1歳半くらいで子離れ親離れするといわれタイミングとしてはいいだろうが、地元の精養軒の株価が21年ぶりの高値を示現したのを始めその経済効果は400億円との試算も出ているだけに関係者の思いは複雑なところだろう。客寄せパンダとはよく言ったものだが、今後の交渉協議の行方が気になるところではある。


盗難劇の裏にEV社会

さて先週末の日経紙マーケット面には、銅の国際価格が指標となるLME3ヵ月先物で月初から5%上昇し週末に1トン7,250ドル前後と約4年半ぶりの高値圏にある旨が載っていた。先月下旬に環境汚染の疑いで洗練所の操業が止まったのに続き、今月に入ってからは主要生産国鉱山の労使交渉が長期間するとの観測も浮上したとのこと。

ところで今週はプール開きする学校が多いと思うが、これを前に各地でシャワーヘッドや洗顔用蛇口なの盗難が相次いでいる旨の報道を最近多く目にする。直近では3月から5月にかけては北関東の小中学校でも同様にこれら230個の盗難事件が発生している。これらに共通しているのはこれら盗難に遭ったモノが銅合金製という点。

背景には上記の銅相場の高騰が言われており、5月のキロ当たり同価格は一昨年が552.2円、昨年が671.6円、そして今年は797.8円と年を追う毎に高騰著しくなっている。これは言わずもがなヨーロッパや中国を中心にガソリン車の販売禁止等環境規制の動きが広まり、今後も電気自動車の普及が一段と顕著になる事が予測されている事が背景にある。

電気自動車はモーターや配線などこれまでのガソリン車に比べ銅を多く使用する構造から上記の銅相場高騰の一因ともなっている。先週末の日経紙一面でもホンダとGMが次世代電池と関連部品を共同開発し両社の電気自動車に搭載する計画を発表しているが、EV社会の到来で銅需要は今後10年で9倍とも試算されており相場と併せ今後その動向には目が離せないか。


現代版生類憐みの令

昨日の日経紙夕刊では「世界のアパレル、動物愛護」と題して、ファーストリテイリング傘下のユニクロや、スペインのZARAにスウェーデンのへネス・アンド・マウリッツなど国内外のアパレル各社が相次いで2020年までにアンゴラヤギの毛であるモヘアの使用中止を表明する旨の記事があった。

その背景には企業のブランド戦略が環境や社会への影響を配慮したエシカル消費の関心が高まった事による影響が出始めた旨が云われているようだが、この辺は当欄でも昨年秋にグッチやアルマーニなど複数のハイブランド群が揃って毛皮の使用を廃止する動きで足並みを揃えてきた旨を書いた事があった。

こうしたファーフリーの動きの裏で今年4月に書いたように世界が欲しがる本邦匠の技を駆使したフィイクファーやレザーが注目されるようにもなったが、ファーに比べ普及品?のモヘアまでとなるとその範囲も広くなるだけに業界でも賛否両論が出てきそう。かつてシルクの代替といわれたテンセルが出現したように、今後特製をカバーした新素材が取って代わってくるのか否か。

しかしファッションに限らず食の世界でもフカヒレが残酷、フォワグラも残酷、ウナギもダメと生類憐みの動きが喧しく、倫理観は別としてここ近年でこの辺は極端になってきたなと感じざるを得ない。斯様な世論に迎合するESGを謳う波も何所まで進展して行くのか気になるところではある。


国産品質

さて、何時だったか皮ごと食べられる国産のバナナを某TV番組で見掛けたことがあったが、昨日の日経紙夕刊には「熱帯植物 国産化 広がる」と題し、熱帯地方から輸入する食品を国内で量産する試みが広がり始めた旨の記事でこの皮ごと食べられるバナナも取り上げられていた。

廉価で日常食のバナナも近年では新種の病害が広がりそのうちに現在のような供給体制が危ぶまれるとの報も一時出た事があったが、ゼスプリが圧倒的なシェアを占めるキウイなどと共にこれまで殆どを輸入に頼っていたフルーツの類も国内では粛々と量産の試みが為されていたか。

冒頭の記事ではバナナ以外で小笠原諸島のカカオ豆も同時に取り上げてあったが、これも当欄では今からちょうど2年前に「カカオ熱再び」と題して取り上げた事があった。あれからはや2年、来年には収穫した豆で自社ブランドの板チョコを商品化する計画というが、冒頭のバナナ等と共にコスト面で末端の食指が動くまでになるか否かこの辺も気になるところ。


新規参入と本邦勢

本日の日経紙金融経済面には「米仮想通貨大手日本へ」と題し、国最大級の仮想通貨交換会社であるコインベースが出資する三菱UFJフィナンシャルグループと連携し年内にも金融庁へ交換業の登録申請と日本に進出し市場を開拓する意向の旨が出ていた。

仮想通貨の交換事業に関しては昨日もSBIホールディングスが、年初のコインチェックによる仮想通貨巨額流出事件以降初めて交換事業の営業を開始している。ネット証券国内最大手の顧客基盤を背景に、仮想通貨の販売時に上乗せするスプレッドについて業界最低水準を目指す事で優位に立つとの思惑から昨日の同社株は急反発する場面があった。

一方でコインチェックを買収したマネックスグループや、リミックスポイント等の関連株は競合出現を嫌気し軒並み安となり本日も続落模様となっている。とはいえSBIも本日は往って来いの反落となっておりかつてのネット証券の手数料競争を彷彿させたか否か、今後も各社の舵取りと新規参入の動向には目が離せない展開か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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