裏口上場未遂

さて、連休明けの日経平均は米長期金利上昇を背景に警戒ムードのなか上海総合指数の急落や円高を受け大幅に4日続落となったが、個別でも先週末の株主総会を睨んで乱高下を演じた末のストップ安に続く大幅続落で目を惹いたのが東証二部外のビート・ホールディングス・リミテッドであった。

この株、仕手系好きな向きには新華ファイナンスといった方が解り易いと思うがこの会社、今年の6月に香港の仮想通貨会社ノア・アーク・テクノロジーズから新株予約権発行で同社の議決権の約50%持ち分保有等の株主提案を出されるなど事実上の買収提案を受けており、賛同に難色を示す同社に対し買い増して筆頭株主に躍り出るなど両者の行方が注目されていた。

結局は先週末の臨時株主総会でノア側の株主提案が否決されることになったが、仮にこれが適った場合は金融庁も認めていない仮想通貨業者の上場が実現してしまったワケでこの辺が一際注目されていた所以でもあった。日本の資本市場で外国勢同士が絡んだ降って湧いたような攻防劇も一先ずの終結で東証の緊張もホッと一息というところだろうが、まだまだハコになりそうな企業を虎視眈々と探す動きは続くか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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