上場から1年半
さて、先週は「ザラバ化の流れ」として大阪堂島商品取引所のコメ先物取引においてザラバ取引が始まった件を取り上げたが、東の東京商品取引所では白金スポット取引で先物価格を基に算定した理論値を大きく上回るという異例の高値がついている旨の記事を先週の日経紙で見掛けた。
この白金スポット取引、導入時には金に対する下鞘恒常化を背景にしタイミングよく建玉の規模を拡大させていったものだったが、今年に入ってからは売買高減少と共に個人のロングエントリー偏重が裏目に出たようだ。構造上日常の裁定が効き難い分理論値に回帰し辛い部分もあり見直しも課題に上ってくるか。
貴金属といえば一方で金は先週末の同紙商品面で「金、くすぶる先高感」と題し、持続的な米利上げを背景に売り越しを拡大させていた金市場が世界景気の変調による株安やサウジアラビアと米国の関係も緊迫し地政学リスクが台頭した事でカバーが入り易い素地になってきている旨が出ていた。
1,200ドル回復後は先週も週を通じ底堅い動きを継続させていたが、同紙では10月に入ってからハンガリーが金をそれまでの10倍の31.5トンに積み増すなど中央銀行も水面下では金を購入する動きが広がっている旨が書いてあり、今後の見えないリスクの顕在化に合せたリスク回避の動きが強まるようだとまた一段と弾みがつく可能性がある。