現代給食事情


さて、一昨日の日経紙夕刊には「学校給食に新風」と題して、食育の一環で一流シェフが考案したメニューやバイキング、海外料理などが登場するなどユニークな学校給食が広がっている旨が書かれており、冒頭からミシュランの星を獲得した店とのコラボ給食などなかなか羽振りの良い例が出ていた。

いわれてみれば確かに最近の小学校の給食など社会の授業で研究対象となった国の料理をメニューに登場させたり、月に何度かは必ず地産地消の日がありメニューに反映されている。斯様なエスニック料理やカレーの日はお供の定番だったライスやソフト麺は姿を消し変ってナンが主流になってきているなど我々の時代からは隔世の感がある。また上記の如くバイキング形式を取り入れた事で、残す子どもが居なくなったとの旨もTVで目にした事がある。

そういえば給食で思い出したのだが最近小中学校で教員に給食の完食を指導された事がきっかけで、体調不良や果ては不登校になってしまった例の相談などが支援団体に昨年は延べ1000人以上寄せられている旨の報道か。本来給食といえば誰もが楽しい時間の筈であり冒頭のような試みが広がってゆくようになればこうした問題もまた違った方向になってゆくのではないだろうか。


利便性向上の功罪

さて、昨日の日経紙には株式の取引において個人投資家でも1つの大口注文を自動で幾つかに分割して出したり、指値の気配値が出るまでは注文を出さず気配が出たら即時に発注できるようにするなど、アルゴリズム取引の一種で売買注文が効率的に成立し易くするなどプロの機関投資家並みの注文方法を利用できる仕組みの導入が相次いでいる旨が書かれていた。

思えば黎明期のホームトレードなど出た時は自身で注文が出来る事自体が衝撃であったが、板にしても先ず電話して担当営業マンに見てもらうか店頭に置いてあるクイックでくらいしか見られなかったモノが、ネット証券の台頭で目の前に並ぶという夢のような状況になり手数料も信じ難いほど安くなった事も上記のようなモノが出て来るともう昔のような錯覚に陥る。

一方でリアルタイムに板状況を確認出来るフル板の引け成り情報などを悪用し株価を操作して鞘抜きしていた輩が、証券取引等監視委員会から金商法違反の偽計取引にあたるとして、課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告されていた旨を週明けの日経紙で見掛けた。飛躍的な利便性向上のバイプロ?でこうした輩も排出されるようになったが、懲りない面々は日々次の悪知恵磨きに余念が無くいたちごっこの構図は変らない。


55年ぶり大阪万博関連

本日の日経紙マーケット面には「建設など万博銘柄上昇」と題し、パリで開催されたBIE総会において2025年の国際博覧会の大阪開催が決定した事を受け、週明けの東京株式市場でこの万博に関連する建設や鉄道、IRからホテルなど他関連銘柄群まで賑わった旨が書いてあった。

ザッと振り返ってみても今年2月以降相場らしい相場が無かった桜島埠頭がいきなりのストップ高から寄り付くなどロケットスタートを演じたのをはじめ、三精テクノロジーズも年初来高値を更新し93年に付けた分割修正値の上場来高値にほぼ肩を並べる水準まで急騰したほか、杉村倉庫は朝方から買い気配を切り上げ比例配分のこれまたストップ高で引けて本日も続急騰を演じていた。

こうした関連株は70年の大阪万博の時に高水準の納入実績を残していた事や、愛知万博の際にも多くの商機を確保した実績があることで真っ先に物色の矛先が向かった格好だが、高度経済成長期の70年万博と同規模の経済効果となるかどうか未知数で、2013年頃の五輪関連やらノーベル賞関連よろしく7年後をどれだけ織り込める地合いが今の市場にあるのかこの辺にかかる部分も大きい。


AI審判時代

人の噂も七十五日とはよく言ったもので、9月に当欄でも取り上げたコーチの暴力沙汰に端を発し物議を醸し出した塚原夫妻による体操界のパワハラ問題やその他ゴタゴタもすっかり話題に上がらなくなったがそれは兎も角、昨日行われた体操の全日本団体選手権は順天堂大学が3年連続6度目の優勝を果たした。

さて、この体操といえば国際体操連盟と富士通はAI(人工知能)による体操の自動採点システムを2020年までに開発し実用化すると先週に発表している。ITの活用で誤審を減らし競技の魅力を向上するのが狙いというが、確かに近年の体操競技はその設備の変遷と共に技の可能性が広がりその技術を目視で判定するのが難しくなっているのは否めない。

事実、TVで放映されている体操競技を解説しているアナウンサーがヤッツケで覚えた技の種類をよく間違えているのを目にする度にヤレヤレと思っていたが、このシステム、3Dレーザーセンサーで動きを測定し3次元データをAIで解析、難易度や完成度を判定するというDとEの部分双方を瞬時に判定出来る点が素晴らしい。

世紀の誤審といわれたモノはその歴史を多くのスポーツ競技で残してきたが、先のサッカーワールドカップでもビデオ判定が初導入となり最初の判定が覆ったパターンが幾つも見られた。私が現役の頃の体操競技は10点満点制だったがそれも今や昔の話、難易度と組み合わせ加点のDスコアとEスコアから成り今の日進月歩の体操技術には応分な新時代の審判こそ要求されようか。


高級パン戦争

さて、過日に案内を頂いたのだが先週から開催されていたIKEBUKUROパン祭りが今週20日まで開催されていた。今年で3回目を迎えるという事だが、前回は1週間で約16万個のパンが売れたという事でけっこうな話題になり今回は全国から約75店が出店してその種類は500種に及んだ模様。

このイベントを何故取り上げたかというと昨今のパン熱が際立っているからに他ならない。直近では高級寿司久兵衛が店を構える場所を巡ってホテルオークラとで裁判沙汰になっているが、先に当欄で取り上げた日本橋高島屋S・Cはエントランスから入って直ぐの一等地?に「365日と日本橋」、そしてその隣には「ポタスタ」と街のパン屋が同ビルの顔ともいえる場所に連なるという百貨店ではこれまでにない光景が見られる。

また最近では高級食パンブームの先駆けとなった人気ベーカリーの「乃が美」のパンが自宅で作れるという触れ込みでホームベーカリーまで登場してきたが、先週15日にはこの乃が美が麻布十番の店を開店させいよいよ東京に進出のはこびとなった。果たして開店飴から長蛇の列となり、用意した商品は早々に完売となる過熱ぶりであった。

こうした拘りパンの波は関西からのものが多かったが、この手の出店攻勢も関西系はパンに限らず何故かこの東京を最後に持って来るところが多い点がおもしろい。とはいえ東京も以前より俺の株式会社が傘下レストランで俺のベーカリー「香」など提供していたが、最近は新店舗もベーカリーとの抱き合わせなど多店舗体制に入って来ておりさながら高級パン戦争の構図になって来た感がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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