池坊展2019
本日から新年度となったが、政府が「平成」に代わる新たな元号を「令和」と発表するなど例年になく今年は感慨深い幕開けとなった。新元号に絡んではまた後述するが、出典が万葉集の梅や蘭の花から取ったものとされている。さて梅や蘭といえば過日はこの期恒例の池坊展に行って来た。
例年より早く桜が満開になった事で会場の東京都美術館へ向かう道は人々でごった返していたが、美術館もちょうど伊藤若冲などの作品を集めた奇想の系譜展を開催しているとあってこれまた結構な混雑具合だっただけに地下へ降りる途中で漂ってくる作品の花の香の清涼感が際立つ。
今年も華督の方々を中心とした立花正風体の多くがどれも圧巻の作品であったが、一方で奇をてらった?組合せというより桜と松と椿などの王道のコンビ、また彼岸桜、ぼけ、ツツジなどの一品でシンプルに真正面から勝負した作品も多く見られ改めてその技量には脱帽といった感じであった。
池坊展といえば一昨年の「花戦さ」とのコラボで観た見事な昇竜松の大砂物の作品等の印象が強烈で昨年も会場のわりに薄めの印象だったが、桜を愛でる外の喧騒と対照的な静寂空間で上記の通り難易度の高い一品勝負を見事に魅せた今年は原点回帰の感もあり次回にまた期待が膨らむ素晴らしい展であった。