ゼロサム
さて、先週木曜の日経紙夕刊には「ふるさと納税返戻品「地場縛り」に動揺」と題して、6月からのふるさと納税の新制度で返戻品が地場産品で限定される事を受け友好都市の特産品の取り扱いを止めたり、市外で生産している為にゆかりの品でも継続出来なくなったりと各地の自治体が対応に追われている旨が出ていた。
6月からの新制度に絡んでは今年の3月に当欄でも通知法律化を経てどういった処遇になるのか注目されるところと書いたが、はたしてというか総務省は今月中旬には捨て身?の掻き集めに出て何かと話題を振り撒いた4市町の参加を認めない旨の発表をし、寄付しても制度上の税優遇は受けられないという事になる。
これに伴って応分の駆け込み需要も予想通りの発生となったが、日経紙調査によれば全国810市区の18年度ふるさと納税の寄付受け入れ合計額は17年度比で29%増の2704億円となり、これをベースとして流出する住民税の金額は前年度比で2割以上増えることが明らかになっている。
総務省が苦言を呈し始めてから約4年でこのゼロサム?ゲームにも一応の釘が刺されるかっこうとなったが、上記の通り都市部自治体の財政への打撃は小さくない。性善説ベースとはいえ自治体と営利企業が絡む構図上競争が生まれないワケが無く、適正規模がこの新制度で図れるのか否か今後も注目である。