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脱プラ機運

昨日の朝方のTVニュースでは今年春にタイの海辺で保護され人気となっていたジュゴンの赤ちゃんが残念ながら亡くなってしまった件が報じられていたが、その体内から大量のプラスチックが見つかった事でこれが原因となった可能性が高いとの事が波紋を広げている。

上記のような動物たちがプラスチックを飲み込んで傷ついてしまっている事が問題視されている件についてはこのTV放映があった日の日経夕刊ニュースぷらすでも「なぜ今、脱プラ運動?」と題し触れられており、遅れていた日本の規制も漸く30年までに使い捨てプラスチックの排出を累積で25%削減する事が決められた旨が載っていた。

脱プラスチックについては当欄でも数度触れているが、こうした機運を背景に日経産業紙纏めの今年上半期のスタートアップ企業の調達額ランキングにはプラスチック代替の新素材を開発する企業もベスト10にランクインしている。斯様に官から民も波が発生し消費者側もまた問題意識を持つ切っ掛けとなってくるか。


キャッサバ熱再燃

ちょうど一週間前から原宿では期間限定で「東京タピオカランド」がオープンしているが、今朝のTVでは複数の局であの富士そばが「タピオカ漬け丼」なるオリジナルメニューを売り出した事を取り上げており、もともとTwitterで注目を集めていただけあって限定メニューの同品は仕込みが追い付かずに売り切れとなっている旨が放映されていた。

ところで原宿といえば近所では同じく9月までの期間限定でリプトンの「Fruits in Tea」期間限定店も表参道にオープンしているが、今年はメインとなる様々なフルーツと共にカラータピオカがスペシャルアクセントとして底に沈んでいるなどまさに今がタピオカブームのピークの様相という感もある。

そんなワケで今年上半期の全国タピオカ輸入量は前年同期比で4.3倍、輸入額は約5.7倍といずれも過去最高となったという。しかし私などが覚えているタピオカブームといえばまだバブルが燻る90年代のティラミスの後くらいだったと記憶しているが、この手は時として繰り返しブームが再来するモノが本当に多い。利益率も比較的高くビジネス的にも障壁は低いものの何れまた訪れる終焉期はバブルの最中には誰にもわからぬものである。


次世代議決権行使

さて、先週末の日経紙総合面では「株主総会、ネットで出席」と題し、業の株主が議論の視聴だけでなく質問や議決権の行使も法律的に問題なく出来るようにするなど、インターネット経由で株主総会に出席出来るよう株主の利便性を高め形骸化しがちな株主総会の活性化を狙うべく経産省等が企業向け指針を作る旨が出ていた。

総会シーズンともなると彼方此方の企業から丁寧な会場案内図が記された招集通知が送付されてくるが、一寸遠隔地ともなるとなかなか躊躇われ更に昨今のお土産自粛機運から招集通知には赤文字でお土産のご用意はございません等ときっぱり謳っている通知もあり、これらが更に腰を重くしている部分もあるか。

これまで株主総会に出席できない場合は郵送で議決権行使というパターンであったが、もともと個人株主の行使比率は3割程度が相場、つまり個人株主の3分の2が議決権を行使していない状況であった。そんなワケで議決権を行使してもらいたい企業のニーズを背景に昨年から議決権行使をスマホで行えるサービス等が開始されているが、これらに枝葉を持たせることで行使率のアップなど総会の活性化に繋がるかどうか今後の進化にも注目したい。


コード9665

さて、一部では漸く収束の兆しもチラホラ見えてきた吉本興業のゴタゴタ劇だが、先週末の日経紙・真相深層では「芸能人は例外 変わるか」と題し、お笑い芸人の闇営業問題を機に始まった騒動が事務所と芸人との契約の在り方に飛び火しその見直しから経営の変革まで迫られはじめた旨が書かれていた。

ところで吉本興業といえば10年前まで曲がりなりにも東証一部に上場していた企業。現会長が社長就任後に元ソニー会長率いるクオンタムリープのTOBに賛同しMBO実施で非公開化に踏み切ったワケだが、各メディアなどを主要株主にしこれが渦中の芸人が強行した記者会見でテレビ局が株主云々との発言の背景になっている。

仮に上場していたらけっこう株価にとってはダメージを与えた事件?もMBO後にあったが今回の件もまたしかりでガバナンスが機能していたとは言い難い。とはいえMBOで反社勢力には一定の抑止力効果はあったものの、いろいろな意味で一強の権力集中を招く副作用も応分にあったか。働き方改革など世が変革しつつある時に旧態依然を踏襲する組織は自己変革出来るか否か、まだまだ今後が注目される。


時期尚早

本日の日経紙金融経済面には「SEC、承認判断を再延期」と題し、SEC(米証券取引委員会)が米3社の申請していた仮想通貨ビットコインのETF(上場投資信託)を承認するかどうかの新たな判断期限を、仮想通貨交換所がサイバー攻撃のターゲットになり資産流出事件が相次いでいる事などを背景に9〜10月にそれぞれ再延期した旨が出ていた。

ビットコインETFに関しては当欄でもちょうど昨年の今頃触れているが、当時は3度目の正直で悲願が叶うのか否かとしたCBOEに上場申請したビットコインが承認まであと1ヵ月というところであったが、結局延長が重なり年を跨いで米政府機関の一部閉鎖と併せCBOE自ら申請を取り下げる結果となった経緯がある。

それらを経て今回も承認判断再延期という事になっているが、先物が先行上場を果たしているだけにそれらを原資産としたモノなどへの期待も高く、フェイスブックの「リブラ効果」から価格も上昇してきているもののインフラ整備等がそれらに追い付いていないなどやはりその壁は未だ高いのが現状である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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