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ノーベル賞2019

さて今週は何と言っても2019年のノーベル賞受賞に関心が向かうところだが、皮切りの生理学・医学賞は米英3氏に先ずは決定。昨年の本庶教授に続き2年連続を期待し株式市場は恒例イベントで有力候補が絡むタカラバイオやブライトパス・バイオなどが物色されていたが、今や法廷で争う仲になってしまった本庶教授の時の小野薬品物色が記憶に新しいところ。

とりわけ昨日の化学賞はその候補者が多く、こちらもその有力候補に絡んでリチウムイオン関連株やPCP素材開発関連株などの物色が目立ったが、果たして通算27人目の快挙で旭化成名誉フェローの吉野氏がこの化学賞に選ばれ、今月に入ってから先回り買いが入っていた本命の旭化成が本日も続伸となっていた。

そして今晩は毎度定番化して盛り上がる文学賞の発表があるが、今年は2年分が発表されることもあり引き続き村上春樹氏が有力候補として挙がり、これまた株式市場では定番の文教堂ホールディングスが今年もまた週明けから値を飛ばしていたが、丸善HDや三洋堂は動意付かずハルキストの熱ほどの持続力は無いようだが化学賞に続く快挙となるかさて結果は如何に。


PGM系のジレンマ

本日の日経紙商品面には「触媒用貴金属が急伸」と題し、世界的な環境規制の強化で1台あたりの自動車用触媒への使用量が増えるとの観測を背景に工業用貴金属のパラジウム先物相場が上場来高値を更新、ロジウム相場も11年ぶりの高値圏と急伸している旨が載っていた。

このパラジウムといえば春先までの半年間で約6割もの上昇率を記録した際に、英アングロ・アメリカのCEOがスイスで開催されたサミットの場で同相場を「バブル」と発言したのを切っ掛けに急反落したのが記憶に新しいが、これが丁度良い篩い落としとなった格好で早くも再度の高値更新と衰えを見せない。

PGM系といえば長引く米中貿易摩擦による景気減速やディーゼル用自動車の販売不振からのプラチナなどは金との価格差が過去最高水準まで拡大したが、米国による対中制裁の次なる発動表明に戦々恐々とするなかその需給から増産意欲の高い鉱山会社等は生産を絞れない事情とも相俟ってしばらくPGM相場も振り回される事になろうか。


増税1週間

さて、消費税増税からはや1週間が経過した。日経MJ紙の消費者調査では約4割の人が駆け込み消費をせず今後も予定していない事が解ったが、ここに載っていた高島屋など先月段階でまだ駆け込み需要と認識出来るものはないとしていたものの、時計等は最後の10日間で急伸し2.8倍増になった模様。

時計等の高額品では昨日のWBSでも東武池袋店では宝飾・時計の売り上げが増税前9月は前年同期比2倍以上と駆け込み需要が目立った旨を伝えており、他に家電等ではビックカメラ旗艦店では同9月は売り上げが前年同期比2倍になった旨が放映されていたが、増税後は一転して前者が前年同期比2割減少、家電も冷蔵庫やテレビ等で3割から4割の減少と落ち込んだという。

ところで作家の幸田真音氏が日経・明日への話題で企業のM&Aに絡めて買う難しさを書き、増税前と煽られて高価な買い物をした人が夢から醒めていない事を祈ると締めていたが、例えば時計等は増税後販売する新モデルでもお披露目は増税前に為されるモノが多く2%分などは顧客層にもよるが店員の裁量で如何様にも出来るし、家電も5~10%の値下げで攻める構えを見せるなど冷静に対処した向きの恩恵も小さくはないか。


寄付文化醸成

さて、先週末には今月から受付を開始したふるさと納税の返礼品紹介の案内が来ていたが、この日の日経夕刊一面を飾っていたのは「ふるさと納税農家支援の輪」と題し、自然災害や天候不順で被害を受けた農家をふるさと納税により支援する動きが広がって来た旨の記事であった。

この手の被災地の救済を目的としたものは地震やら豪雨などで被災していない自治体による代理寄付などが近年では既に彼方此方で始まっているが、冒頭の試みと併せて復興支援の手法も多彩になってきているなどESGが高らかに謳われるなか今後も更にこうした動きが広がってゆくのは想像に難くないか。

ところでふるさと納税といえば周知の通り総務省と泉佐野市のバトルが記憶に新しいところだが、本日の日経紙社説にも「勧告に向き合わない総務省」と題し書かれていた通り国地方係争処理委員会が同自治体除外の根拠が不適切だとして再検討の勧告をしていたにも関わらず、総務省は今月に入ってこの新制度からの除外継続を決めた件は法廷に場所が移る可能性を仄めかせた。

かつてTVのバラエティー番組等では挙ってふるさと納税を取り上げ評論家と称する富裕層の豪華な返礼品生活を映し競争を煽った結果上記のような禍根も残ったが、斯様に各所ではこうした本来の趣旨である寄付文化へ回帰する動きが活発化しており、今後それをどう醸成させ根付かせてゆくかこの辺が焦点になろうか。


半世紀の歴史に幕

さて、今週アタマで90年代にビジネスから若者まで幅広く一世を風靡したポケベルが国内サービスを終了させその50年の歴史に幕を閉じた。今でこそスマホが普及し世を席巻しているが、今や中年ゾーンに入った当時のJK世代などにとってはまさに青春を支えた必需品で街の公衆電話が彼らに占領された光景がいまだ記憶に新しい。

それこそあの制限された僅かな文字枠の中で0840(おはよう)とか14106(あいしてる)等々如何に相手に都度の感を伝えるか駆使するさまはさながらスタンプのような感覚で、一方でサラリーマンなど酷暑や厳寒のなか喫茶店等で束の間の休息に浸っていると彼方此方で会社からの呼び出し音が店内に響き、似たような境遇の営業マンが苦笑いでヤレヤレと早々に店を出てゆく悲哀を感じる光景も頻繁に見られた。

急速なネット普及の過程でコミュニケーションの在り方も各層で大きく変わった事を考慮すれば、広い層が使用出来たスラング?の類としてポケベル打ちは最後のモノと言っても過言ではないか。そんな消えゆく機器を惜しみメルカリでは検索ワードが今月に入って急増、秋葉原ではポケベル葬なるものまで開催された旨が日経MJ紙でも出ていたがまた一つ昭和の産物が姿を消した。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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