コロナ禍どこ吹く風
さて先週の日経MJ紙の一面を飾っていたのは「富裕層は揺るがない」と題して、新型コロナウイルスの感染が拡大したこの1年でも日経平均株価が3万円の大台を回復するなど株高による資産効果が富裕層の消費マインドを後押しし、個人消費が弱いといわれているなかでも高額消費が堅調な旨の記事であった。
ここではそごう・西武が昨年開催した富裕層向けの催事「高輪会」が取り上げられ、現代アートやダイヤモンドのルースなどが売れゆきも良く前年同月比20%増の売り上げになった旨や、高級輸入車の売り上げも昨年は1000万円超の高級車が前年比0.5%増となり5年連続での前年超えとなった旨が書かれていたが、不動産もまた然りで億の桁のマンション市場も即成約が多く不況知らずという。
ところで斯様な億ションなど私には無縁の存在だが、今月は「三越 春の逸品会」に招待されたので過日ニューオータニに出向き選りすぐりの品々を観てきた。エントランス付近に置かれたクルーザーやプライベートジェットの案内を横目に見乍ら、アールデコのガラス工芸品からペルシャ絨毯含めた店舗ではなかなか見られないような一点モノの伝統工芸品の逸品を十分堪能する事が出来た。
また高輪会よろしく店頭では見た事もないような大粒ダイヤのルースも目の保養になったが、印象的だったのは外商さんがズラリと並ぶ独特な雰囲気のなか会場内の各ブースは成約した顧客でごったがえし混雑を極めていた光景か。何かこうコロナ禍で制約されてしまった従前消費の鬱憤を晴らすが如く高額消費にぶつけている感もあり、まさに「富裕層は揺るがない」を目の当たりにした一日であった。