PTSの課題

さて、先週末の日経紙金融経済面には「米CBOE、アジア進出」と題し、米取引所大手CBOE(シカゴ・オプション取引所)を運営するCBOEグローバル・マーケッツが手薄のアジア太平洋地域進出する狙いで、日本のPTS(私設取引システム)であるチャイエックス・ジャパンを米投資ファンドJCフラワーズから買い取り買収する旨が出ていた。

現在日本のPTSは上記のチャイエックス・ジャパンとジャパンネクスト証券だけであるが、日本の株式取引量で見るとPTSはこの2社を合計しても7〜8%程度と米国の約30%からしても見劣り感は否めない。近いところでも先に東証がシステム障害を起こし全銘柄の売買停止に追い込まれた際、渦中のJPXや同システムを請け負った富士通がPTS市場で売り物を浴びていたのを思い出すが如何せんリクイディティーの薄さが指摘されていた経緯がある。

PTSに絡んでは今月にSBIホールディングスと三井住友FGが共同で私設取引所運営会社を設立と先に報じられているが、上記のような不測の事態にこうした代替市場がバックアップになれる為には常日頃から幅広い投資家が参加しそれなりのマーケットシェアが活発に行われていないとこの辺は難しく、やはり取り扱い会員を増やし当欄でも何度か指摘したがマル信の解禁など投資家の裾野を広げリクイディティーを高めてゆくのが喫緊の課題か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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