環境問題とPGM

さて昨日の日経紙商品面では「触媒貴金属 再び最高値圏」と題しガソリン車用触媒に使うパラジウムの国際価格が、自動車生産回復に伴う需要復調のなか主要生産国の供給懸念がにわかに強まった事を背景に、ニューヨーク市場の先物で昨年2月末に付けた史上最高値以来1年1ヵ月ぶりの水準まで急騰している旨が出ていた。

また同じくガソリン車の排ガス触媒に使うロジウムや、電子部品製造や水素生成の際の触媒等に使うイリジウムもエコブームのなか主要国の環境対策強化などを背景に急騰。同紙では5年前比で冒頭のパラジウムは約5倍、上記のロジウムは40倍を超える高騰とあったが、イリジウムもまた然りで約10倍に高騰している。

ところでこれら白金系レアメタルはプラチナの副産物として産出されるが、このプラチナもここ最近は値上がり急で昨年11月から直近までの騰落率では首位のビットコイン、2位の原油に次ぐ3位に付け注目を浴びている。上記レアメタルは電気自動車が本格普及するまでの間のガソリン車温暖化対策を背景としているが、プラチナもディーゼル車の排ガス浄化装置のほか燃料電池車の発電装置向け需要期待が背景にある。

金の下鞘に甘んじてはや数年プラチナも漸く覚醒かといったところだが、いずれにしろSDGsの掛け声が喧しい現代において今後一段と進む持続可能な社会への転換過程で常に付き纏うリスクとしてこれらに不可欠な資源不足の問題があり、これらに対応するべく更なる技術革新などが課題となってこようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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