重点フォローアップ国
昨日の日経紙法務面には「仮想通貨、申告漏れにメス」と題し、暗号資産を巡る税務処理に国税当局が監視を強め大規模な税務調査などを手掛けている旨が出ていた。今や暗号資産の取引は日本でも急増し、日本暗号資産取引協会によれば3年前に8千億円強であった取引額は今年の5月には実に5兆円を超えていた模様だ。
暗号資産に関する税の専門家も黎明期だけに少ないのを逆手に取り法的にグレーと見られる節税策などを謳う業者も増殖している模様だが、この手の暗号資産はマネーロンダリングにも格好の素材として予てより挙げられている。マネロンといえば公表されているリスク・ランキングでは19年に米の一つ下の73位に位置していた日本だが、昨年には69位へと順位を上げ前回から100位に改善した米との格差が開いてきている。
こうした順位の変動を裏付けるように日本のマネーロンダリング摘発件数もここ10年右肩上がりで推移しているが、上記の暗号資産やスマホ決済などの普及でその手口も次第に複雑且つ巧妙化してきている事もあり、リスクランキングの順位が上がった事を軽視せずに踏まえ欧米並みの危機意識を改めて喚起するところだろうか。