お台場名所の閉館
さて、未開の地であった臨海副都心の魅力を押し上げる一翼を担ってきたお台場の商業施設「ヴィーナスフォート」だが、トヨタグループの不動産会社による多目的アリーナの建設計画に伴うパレットタウンの再開発により、昨日で惜しまれつつも平成11年の開業以来、約23年近くに及んだ歴史に幕を閉じた。
開業当初に初めてこの施設に訪れた際には、中世ヨーロッパの街並みが再現された館内にさながらラスベガスやマカオのホテルにあるショッピングモールに来ているような感覚にも陥ったものだが、噴水広場なども幾多のテレビドラマに頻繁に登場しパレットタウンの発展と共に実に延べ2億人が来館したという。
思えば此処は商品を所有する「モノ消費」から、体験や思い出に価値を見出すという所謂「コト消費」時代の先駆けとして開業したと言ってもいい施設であった。今後も隣接の透明なゴンドラがあった大観覧車も8月末での営業終了から解体の運びとなり、また同じくチームラボによるあのアートミュージアムも一旦営業を終了するなど時代を駆け抜けてきた定番のデートスポットが姿を消すのは寂しい限り。