デフレ国家の政策
政府は本日、ロシアによるウクライナ侵攻などを受けた物価高騰対策として事業規模13.2兆円の「総合緊急対策」を決定、首相はガソリン価格抑制のための補助金や中小企業対策などに拠出するものとして6.2兆円の国費を充てる方針であるとの意向を示し、ガソリンと共に輸入小麦についても9月まで政府の販売価格を急騰する前の水準に据え置くと説明した。
この総合緊急対策で国民生活を守り抜くとの事だが、なるほど先に発表された3月の消費者物価指数はエネルギー価格が41年2か月ぶりの大幅な上昇となり昨年より0.8%上昇、これで7ヵ月連続の上昇となりコロナ禍前の2020年1月以来の伸び幅を演じエネルギー価格や食品の値上がりによる家計の負担増が浮き彫りになった格好だ。
これらの経済指標を見るに政府の” 緊急” とした趣旨は理解出来るものの、一過性なものではないのは明らかでトリガー条項凍結が続くなかで補助金引き上げを何所まで続けるのか出口が見えない。消耗戦のなかで継続介入は市場メカニズムを歪めてしまうと懸念の声も喧しく、俯瞰して見ると日銀と政府とで各々の政策が整合性の取れないものとなっており何故日本だけがデフレの沼にはまっている状況なのか今一度再考すべきだろうか。