参謀役の失態
本日の日経平均は20年ぶりの円安を追い風にして小幅ながらも3日続伸、3月末以来約2ヵ月ぶりの高値水準まで戻りを入れた格好になったが、そんな地合いの中でも昨日に続き2日連続でストップ安に張り付いた東証プライム市場のアイ・アールジャパンホールディングス株の動きが一際目立っていた。
この背景には、コンサル会社アイ・アールジャパンの元副社長が、未公開情報に基づいて知人が発注したこの持ち株会社のアイアールジャパンHD株の不正取引に関与した疑いがあるとして、昨日に証券取引等監視委員会が同社を強制調査したとの報がある。渦中の副社長といえばつい先週に「一身上の都合」として同社を退社したばかりであった。
このアイ・アールジャパンといえば、先の関西スーパーマーケットの争奪戦において統合会社の理論株価公表等でも名前が出るなどしていたが、アクティビスト対応から敵対的TOBにおけるオフェンスやディフェンスまで実績が数多くあり、近年企業に株主提案等を行うアクティビストの存在感が高まっている中でアドバイザーとしての存在感が急速に高まっていた会社でもあった。
そういったビジネスモデルの同社はガバナンスや上場ルールについては企業の模範であるべきというコンセンサスがあっただけに今回の件で信用問題が株価に表れている。本日は比例配分で何とか値を付けたが、その出来高は5万株にも満たず引けでは120万株以上もの成り行き売りが出ていただけに先ずは何所で完全一致にて寄るか、今後の監視委員会の動向と合わせ注視しておきたい。