現代版マルチ
昨日の日経紙社会面では「給付金詐欺横行SNSで組織化」と題し、新型コロナウイルス対策で国から支給された持続化給付金を巡り、投資サークル等を絡め組織化されたグループによってかつてのネットワークビジネスの如く連鎖的に若年層を狙い巨額な被害がここ最近芋づる式に発覚している旨が出ていた。
まさに給付スピードを優先し性善説に基づいた簡易な仕組みが見事に裏切られた格好となった事件で、逮捕された輩も親子やら東京国税局職員やらとマスコミが騒ぎ易い面々だった事でTVなどでも頻繁に取り上げられていたが、まあ確かに税の番人という立場の国税職員がこの手の犯罪に手を染めているようでは税金を払う側もバカらしくなってくるというもの。
しかし何れも目立つのは申請した名義の7割近くの面子が高校生や大学生などの20代以下が占めていたという点か。摘発されたこの手の投資サークル自体も個人での投資一任勘定にあたり金商法で禁止されている行為なワケだが、そもそも給付金を元手に暗号資産に投資して2倍になる等の謳い文句自体を一笑に付すことなく信じてしまうあたり改めて驚きを禁じ得ない。
当欄では4月末に「カモ?成人」と題し、新たに18~19歳が成人となるなか若者を狙った投資関係などの悪質商法の被害増加が懸念される旨を書いていたが、高校生の金融教育の授業でもハウツー論と並行しこうした詐欺に巻き込まれない為の啓蒙等も今後は更に重要度が増してくるか。