TOB乱戦模様
さて、青果物ネット販売のオイシックス・ラ・大地が給食運営のシダックスに対し先月末からTOBを始めているが、これがなかなかの乱戦模様となっている。そもそもの買付価格が開始時点の株価を大幅に下回るという稀なパターンで筆頭株主とも応募契約を結んでいないという何とも不透明なケースであったが、果たしてというか当のシダックス側からこのTOBへの反対意見が発表されている。
予てよりオイシックス以外の企業から協業の提案があり比較検討が必要な事や、株式の取得価格が時価より低い事などを理由に挙げていたが、この企業こそコロワイドを指しておりフードサービス事業買収の提案が為されていた。しかしこのコロワイドといえば2年前の大戸屋に対する敵対的TOBが記憶に新しいところで、大戸屋側の抵抗虚しく資本市場に長けたコロワイド側が粛々とTOBを成立させた経緯がある。
おまけにその過程で大戸屋側が苦し紛れの業務提携を発表した相手もオイシックスであったのも何かの因縁でこの参戦が注目されたものだが、つい昨日この買収提案をコロワイドが撤回するという意外な幕引きとなった。今後は取締役会や大株主の投資ファンドの対応が焦点となるが、何れにせよ株主間契約の有効性含め企業統治の在り方が問われるケースとして今後の動向にも目が離せない。