祝日取引開始
さて、先の日曜日の日経紙総合面には「株安時の損失リスクを軽減」と題し、海外で大きく株価が動いた際などに損失リスクを軽減する機会を増やす事などを目的として、JPX(日本取引所グループ)が明後日の秋分の日より株価指数先物取引などデリバティブの祝日取引を始める旨が出ていた。
今週はまさにシルバーウィークだが、欧米に比べて取引所の祝日数がいつの間にか多くなった日本ではイベントや非常事態等で相場が荒れても対処が困難で、オプション取引では長期の連休などタイムディケイの影響も出る。そういった意味では売買できる機会が自ずと増えるのは機会損失の防止等含めメリットは大きい。
個人投資家の属性の違いから大手証勢はサービス導入を見送る模様だが、大手ネット系中心に20社強が参加を表明している。大晦日と年初2日は当分実施しない模様というが原則土曜・日曜日を除く全ての現休業日が対象日になる予定で、祝日営業日の日中立会終了後は値洗いによる追証判定は実施しない。デリバティブの口座を持っていない向きは新たにこの口座開設の必要が出て来るが、逡巡していた向きも勉強する良い機会となるか。
前にも書いたが、国内では実に70年ぶりに取引時間の延長が実施される見込みとなっているが、今回の祝日取引の開始と合せ日本の個人投資家の置かれた環境は更に改善してゆく事になる。こうなると其の先で現物との損益通算を求める声が益々高まりそうだが、そういった促進の意味でも今回の一歩は前進といえるか。