ヤマ場の神無月
さて、先月末は値上げ前の駆け込みなのかビールの箱買い等の光景をよく目にしたが、ビールに限らずこの10月は吉野家の丼モノなど外食チェーンからサントリー、コカ・コーラグループなど食品・飲料などの値上げが続き、先に帝国データバンクが述べているようにその数は実に6700品目近くにのぼり2022年の月別で最多となる見込みだ。
この中には伊藤ハムなど再値上げやキューピーや味の素マヨネーズなど3回目となるもの等も含まれ、他にもティッシュペーパーからパナソニックやTOTOなどは家電の一部を値上げし、公共料金も東京ガスが値上げと広範囲に及ぶ。ここまで企業が値上げの表明をしても8月に当欄でも書いたように店頭価格への反映が為されているとは言い難い状況であったが、この最多値上げで漸く転嫁も進む構図となるか。
というワケで2万品目にも及ぶ今年の値上げ或いは値上げ予定により、1世帯あたりの負担額は年間で68,760円と年間平均消費支出の約2%になるという。中小企業など賃金水準がこの物価高のスピードに追い付いていない向きも少なくなく個人消費の冷え込みが懸念されるが、そうした向きの矛先が向かうPBなど逆に商機で今後の各社戦略にも注目したい。