争奪戦3年
さて、先月は三つ巴、いや四つ巴となったオイシックスによるシダックスへのTOBを取り上げたが、本日の日経紙社説には「企業は敵対的買収から逃げず価値向上を」と題し相手企業の取締役会から賛成を得ないままTOBを始める敵対的買収が経営戦略の一つとして定着してきた旨の記事が書かれていた。
この辺に絡んでは直近では先月末に文具メーカーのぺんてるに敵対的買収を仕掛けた東証プライム上場のコクヨが、買収方針を取り下げて保有するぺんてる株の全株を同業のプラスに売却する旨が報じられている。当欄で「文具争奪戦」と題しこのTOBを取り上げたのが3年前、最終的にホワイトナイトと一緒になる格好で治まったようだ。
こんな買収劇の伏線だったワケではないだろうが、敵対的買収が報じられる数カ月前の某バラエティー番組ではコクヨにぺんてる、それにプラスの社員が集まり各社其々の自慢の商品を持ち寄り随所でぺんてるの海外網を羨ましがる光景が繰り広げられていた。その辺は兎も角も、この度の決着で縮小傾向にある国内文具市場の構図がまた変わりゆくか否か引き続き注目しておきたい。