親会社の上鞘に
さて、今週はじめにF1のターボ技術を量産車に初採用した新型AMG「SL43」を発売した独高級車大手メルセデス・ベンツだが、本日は同社がロシア市場から撤退する方針を明らかにしている。英ロールス・ロイスも先にロシア関連事業を全面停止しているが、ソ連崩壊と共に西側の資本や技術でもって近代化を進めてきたロシア自動車産業もこれで万事休すか。
ところで高級車といえば話変わって独ポルシェが先に独フランクフルト証券取引所に単独で新規上場を果たしている。発行済み株式のうち12.5%分が議決権のない優先株として売却された格好だが、欧州ではIPOがほぼ行われていないなかで公開価格は仮条件の上限に設定され初値はこれをも超えて時価総額は約780億ユーロと10兆円超えの大型上場となった。
ポルシェといえば独自動車大手フォルクスワーゲンの傘下にあるワケだが、子会社にあって親会社の12兆円に迫る時価総額で誕生を果たした同社は今月に入って既にこのフォルクスワーゲンの上鞘に躍り出ている。群雄割拠の自動車業界において開発に資金が幾らでも欲しいVWにとってはニンマリのIPOだっただろうが、EV開発など今後ますます熾烈を極めてゆくことになろうか。