資本逃避
さて、先週の日経MJ紙では「日本の宝石、円安で富裕層が注目」と題し、先月中旬に開催されたオークションで6.11カラットのピンクダイヤが出品され、それがこれまでの国内オークションの落札最高額だった2017年の2億2500万のブルーダイヤの2倍以上となる5億3000万円で落札された旨の記事があった。
急速に進む円安を背景にドル建て取引が多い海外の富裕層からは円建て資産が割安に映り、日本円の価値低下に不安が高まるなか国内では円からのキャピタルフライトも見られるという。この辺は上記の宝石に限らず、これと同様に魅力的に映る現物資産として最近問い合わせが急増しているものに高級不動産物件もあるという。
冒頭の宝石も希少なタマが多く揃う日本だが、不動産もまた日本はクオリティがトップクラスな割に最近の円安も相俟って非常にリーズナブルに映るという。不動産の買い漁りといえば今週初めにも書いたバブル景気に沸いていた頃は米国の魂を買ったと揶揄された三菱地所によるロックフェラーセンター買収などが思い出されるが、時を経て今や日本は買う側から買われる側に成り下がっているあたり栄枯盛衰を感じ得ない。