日銀サプライズ
昨日は各国中銀が先週行われた金融政策会合で軒並み利上げペースを減速させてきた旨を書いたが、金融政策といえばサプライズだったのは本日開かれた日銀の金融政策決定会合の結果発表か。どうせまた無風だろうと高を括っていたところ長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%程度に変更し金利上昇余地を広げた。日銀総裁は利上げではないと言っているが、事実上の利上げだろう。
これを受けて前場は凪のような値動きだった日経平均は後場に急落、一気に5円ほど円高が進み長期金利も約7年ぶり水準まで上昇した事で自動車セクターや不動産セクターはじめ実に東証プライム銘柄の9割が下落、一方で国内長期金利に上昇圧力がかかる事で利ザヤが一段と改善に向かうとの期待が膨らんだことから三菱UFJや三井住友、みずほなどのメガバンクが軒並み上げ幅を拡大させいずれも年初来高値を更新するなど明暗を分ける格好となった。
しかし来年の任期切れを控えてここでの大規模緩和修正は後任への政策オプションを増やす狙いか等と何かと思惑だが、現実的なところで急激な円安に歯止めがかかる事で輸入物価高鎮静の一助となるも、他方では長期金利に連動している住宅ローン金利の負担増や企業向け貸出金利の引き上げ観測などが懸念される。上記の銀行株の急伸がそれを先取りしているといえるが、孤高の異次元緩和継続も政策修正もどちらに転んでも其々に我々の生活に少なからず影響が生じることになりそうだ。