2022ヒット総括
昨年の今頃に当欄では日経MJのヒット商品番付を取り上げ、東の横綱に「Z世代」が選ばれた際には「~Z世代が象徴しているような消費行動がこれから未来の日本の消費トレンドになっていく可能性もある~」と書いていたが、果たしてというか今年の東の横綱は彼らZ世代に広く浸透した消費行動である「コスパ&タイパ」が選ばれている。
タイパに関しては先月も書籍を10分程度で読めるように要約したサービスやコンビニジムなど企業もこの市場を狙うべく倍速志向への対応を進めている旨を取り上げたが、一方では著作権を侵害したファスト映画訴訟や学生の夏休み課題代行業から企業の新卒採用試験における替え玉受験などタイムパフォーマンス重視が生んだ負の副産物も問題になった。
また西の横綱の「♯3年ぶり」といえば今年は特に新型コロナ禍で中止を余儀なくされていた各地での夏祭りや秋のハロウィーンが再開、また旅行支援から今まさに街を彩っているイルミネーションまで次々と復活した。これらに加え大関のサッカーW杯の経済効果など値上げで家計防衛意識が高まる中でも束の間の財布の紐が緩む場面を作ったといえるか。
飲食の分野では西の大関の「ヤクルト1000」が駅の自販機からコンビニの棚まで一時期は何時見ても売り切れが目立つなど、今年は本当にヒットした感がある。これに触発され他のメーカーからも挙って睡眠の質向上を謳う商品が打ち出されたほか、上記のタイパ絡みで短時間で完全栄養素を摂れる完全メシなど定番商品の進化系が目立った。来年もこれらに加え引き続きコスパ&タイパが経済を活性化するキーワードになってゆくのかどうか注目が怠れない。