返礼品変遷
昨日の日経紙夕刊一面には「ふるさと納税 焦る大都市」と題し、同社が試算した2021年度の寄付額から住民税控除額を引くなどした流出超過額は東京23区が全区で流出超過となったほか、市町村ではもうここ数年常連組の横浜市はじめ川崎市等の自治体は相変わらず多額の流出となり地方交付税の恩恵の無い大都市圏は引き続き劣勢を強いられている旨が出ていた。
こうした中には制度に批判的な自治体も当然ながら少なくないが、制度の構図自体が変わらないなかで死活問題となっている向きの中には返礼品強化など現実路線に転換するところも出ているという。ところで返礼品といえば最近では以前も書いたように出かけた先の宿や飲食店ですぐに使える電子ギフトなど、地元の経済活性化に直接つながりより手軽に納税が出来るような進化系スタイルも人気となっている。
こうした地域活性化といえば、コロナ禍を受け非航空事業の強化が急務となっているJALやANAなど大手航空会社も特産品プロジェクトや地域で楽しむ体験型返礼品の拡充などに動くなど後押しの動きも出ている。また最近登場してきたモノの中には特産品が少なくとも活用出来るNFTアートなど返礼品の世界は日々進化してきている感がある。
こうした動きを受けフィルターとなるふるさと納税サイト側も都心に返礼品を展示する実店舗をオープンしている。これはアパレルでZ世代に人気のSHEINがオープンした実店舗と同様のスタイルで、それぞれの品にQRコードが付いていてページに飛んで申し込みが出来る。こうしたインフラ整備や地域差による格差が生まれにくい返礼品の登場で自治体側も各々のセンスが問われるようになってくるか。