脱米ドル依存?

一昨日は米地域金融機関の連鎖破綻を取り上げたが、そうした事も一部背景にあり安全資産とされる金が2000ドルの大台超え後も堅調持続している。この辺は先の日経紙総合面でも取り上げられていたが、ここでは特に新興国中銀を中心にした金買いが顕著で、先週発表された23年1~3月期の金買いは1~3月期としては10年以降で過去最高を記録している旨が書かれていた。

足元では特にトルコや中国の金の積み増しが目を惹くが、上記日経紙の文中では中国の3月時点の金の総保有量は約2068トンで過去5か月の間に100トン以上保有を増やした旨が書かれていたが、7日に発表された直近の保有量は約2076トンと更に8トン増加とこれで6か月間連続の増加でこの期間に6.6%積み増した旨が明らかになっている。

斯様に米と一定の距離を置く国は米ドル中心の既存の通貨の覇権に挑み脱米ドル依存を鮮明にしてきているが、確かに実質金利が上昇しているにもかかわらず金が史上最高値を舐めに行く動きを見せているのはこうした要因以外でも何らかのリスクプレミアムを乗せているともいえる。上記の背景以外にも目先では米債務上限問題等も控えているだけに、今後も折に触れ物色の矛先が金に向かう素地が整っているのは間違いの無いところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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