株主総会2023

国内の3月期決算企業の株主総会は先週に集中日を迎えたが、先に挙げたアクティビスト絡みの企業に続き注目されていた東芝株主総会では会社側提案の取締役が可決され投資ファンドによるTOBの受け入れ決定が一定の理解を得られた形となった。今後TOBが順調に進行するかどうか注目されるが、TOB絡みではもう一つ、TOBを目指す株主提案が一部可決されたマリコン大手の東洋建設の株主総会もなかなか注目度が高いものであった。

同社の大株主となり1株1000円でのTOBを提案していたのが任天堂創業家の資産管理会社YFOであったが、これが1年以上を経て決裂した結果この度の取締役候補を掲げた経営陣の刷新であった。これを迎え撃つ形で会社側も現在の経営陣を軸とした取締役候補を提案していたが、はたして接戦の末に選ばれた取締役候補のうち過半数をYFOが占め実質的な勝利を勝ち取ることとなった。

今後同社は新たな経営陣によってTOBを検討してゆく事になろうが、先週取り上げた日本証券金融もアクティビストファンドの提案こそ否決されたものの、同ファンドが日銀の天下りと批判をしていた社長人事に関して次期社長については同社上場以来続いてきた日銀などの公的部門出身からは選ばない方針を明らかにしている。まだ提案の否決が大勢のなかにあっても株主主導の経営改革が少しずつ具現化してきている胎動を感じた今年の総会であった。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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