サウジが買うもの
先週末の日経紙マーケット面には「オイルマネー、日本株照準」と題し、足元の原油価格の上昇で運用規模が膨らんだ中東のSWF(政府系投資ファンド)などオイルマネーが、日本株の本格買いに向けてSWFの日本拠点の開設や日本人のリクルートなど含め準備を進めている旨などが書かれていた。
当欄ではこのSWFの中でもサウジアラビアのPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)が保有し買い増ししている銘柄を今年始めに取り上げていたが、先週末の日経紙に載っていたこれらの保有銘柄を見ると、買い増しを続けてきた任天堂の保有比率が更に伸びこれ以外にも挙げた東映やネクソン、コーエーテクモなど他の銘柄群もその保有比率をそれぞれ当時より増やしている。
以前にも書いたが将来的に避けられない脱石油依存を見据えた国興しの多角化の狙いが見えるが、そういった意味で日本株と共にPIFの爆買い?が目立つものにサッカー選手がある。昨年のC・ロナウドに続き、今年はネイマールなど超の付く大物選手をPIFが買収したクラブチームがそれまでの数倍の破格な年俸で次々と獲得している。
近年サウジは女性のサッカー観戦を解禁したり映画館も約35年ぶりにオープンさせるなど開放路線を取ってきているが、東映株の買い増しや著名選手獲得などこの辺を背景にしているか。そういえばこの夏に岸田首相が同国を訪問していたが、脱石油依存を見据えた経済的パートナーとしての日本のプレゼンスは高まって来ているだけに引き続き同国の今後の動きには注視しておきたい。