表舞台に出るONIGIRI
今週月曜日の日経夕刊には「ONIGIRI 海渡る」と題し、日本のおにぎりが海外進出を加速している旨の記事が一面を飾っていた。おにぎりといえばぐるなび総研が一年の世相を反映し象徴する食を選ぶ年末の「今年の一皿」が、昨年は“ご馳走おにぎり”に決定している。今年の一皿でおにぎりは2015年にも握らないで家でおにぎりを作ることが出来る“おにぎらず”が選ばれているが、ご馳走おにぎりは握って出来たモノを敢えて外で食べるスタイル。
同総研によれば昨年は東京など都市部でのおにぎり専門店の開業は前年比で5割増になっているとのことだが、此処の近所に出来た冒頭の日経記事にも出ているおにぎり屋も“出汁パンチ”や“いぶりがっこ味噌チーズ”等々そのネーミングから惹かれるユニークな品々を揃え、オープン以降はTVでも度々取り上げられていることもあってかなかなかの盛況ぶりだ。
そういった事も背景に最近ではコンビニでもお握りの種類が増えて価格もそれと並行して高価格帯のものが増えてきている。またローソンなどは今年の2024年物流問題や食品ロス削減を念頭に冷凍おにぎりの実験販売も昨年夏に試みるなどしているが、最新技術を武器に東京オリンピックで好評を博した日本のおにぎりがこちらでも世界へ進出し易くなるかもしれぬ。
さておにぎりといえばコメだが、日本のコメの一人当たりの消費量はパンや麺類といった食の多様化により60年以上にわたりその消費が減少を続けて来たものだが、輸出は好調で昨年は前年比で3割増加している。恒常的な円安を背景に購買力も増しており世界で広がる日本食マーケットを追い風に海外へ販売先を持って行くことはリスクヘッジの一つとしても商機ともいえるか。