貧者の金
本日の日経紙グローバル面には「金に続き銀にもマネー」と題し、金価格の高騰を受け金より割安な銀へのマネー流入が加速し、銀の国際価格の指標となるニューヨーク先物が約3年3か月ぶりの高値圏に上昇している旨の記事があった。これまで地政学リスクのプレミアムが付いてきた金とは逆に銀は産業用需要の側面から景気減速懸念で長らく日の目を見なかったものだ。
そんなワケで今年の1月には金銀比価が1時90倍を超えていたものだが、さすがにこの倍率は行き過ぎとの自律反発なのかどうか2月に入ってから水準訂正が始まり、3月に入ってからは好調・不調の境目である50を昨年末から連続で下回っていた中国のPMIもこの50を半年ぶりに上回るなど経済停滞からの回復期待も一段の上昇の原動力となった。
しかし銀といえば思い出すのが、数年前にミーム株などを次々と物色していたロビンフッダーなる米のイナゴ集団がこの銀までターゲットにしてNY先物が8年ぶりの高値まで急騰したのが記憶に新しい。当時はインフレ調整後の銀価格は1000ドルが妥当とか無茶苦茶な煽りがあったものだが、出遅れ感のあった「貧者の金」の「金」への連動は今回どこまで持続性があるのか見ておきたい。