資本効率重視の流れ
本日の日経平均は昨日の急反発から往って来いの急反落となっていたが、そんな中でも逆行高を演じていたのが川崎汽船など。この辺は1000億円を上限にした自社株買いの発表が背景にあると思われるが、同社以外でも今月は月替り早々に三井物産が2000億円を上限とする自社株買いを発表し昨日の株価は上場来高値を更新してきていたが、依然として資本効率重視の姿勢が目立つ。
ちなみに昨年の上場企業の自社株買いは初めて10兆円を超えて2年連続で過去最高となっている。手元資金が昨年末時点で100兆円超ということで約1割に相当する額だが、長らくディスインフレ下で増加の一途を辿ったこうした資金をインフレ環境下でどう使うかが問われ、有効活用手段の一つとして手っ取り早く?ROE改善に繋がり易い自社株買いが注目され株数ベースの取得規模も大きくなっているのが目立つ。
確かに東証の要請対応で意識する指標の中でもPBR等は自社努力だけではどうにもできない部分があるが、ROEは自助努力で改善出来る部分なだけに今年も高い利益率が確保されれば自社株買いの勢いは衰えを見せないと推測される。例年決算発表のタイミングで株主還元策の発表は今月に集中する傾向があるが、そういった意味でも半ばにかけて本格化する決算発表で自社株買いがどの程度出てくるのか注目されるところ。