悪魔の果物>ロブスタ
暑い日が続くなか手軽に缶コーヒーを手に取る機会も多くなっているが、この缶コーヒー等によく使われるイメージのあるコーヒー豆がロブスタ種か。このロブスタ種といえば昨日の日経紙グロース市場面にて「ロブスタ種、初の5000ドル台」と題し、指標のロンドン市場で中心限月が先月末に初の5000ドル台を突破した旨が描かれていた。
ところでこのロブスタ種、かつては日本でも東京穀物商品取引所でアラビカ種と共に先物が上場されていたのが懐かしく、上場廃止からはや10年以上経つのかとしみじみする。それはともかく、こうした高騰の背景には産地ベトナムの異常天候による生産量減少が響いている模様だ。ベトナムといえば世界2位のコーヒー豆生産国だが、ロブスタ種に限れば世界1位の生産国である。
同紙では加えてドリアンへの転作が増えている旨も書かれてあったが、ドリアンは近年特に中国で人気となっておりこの影響は大きい。“悪魔の果物”は私も好きだが、コーヒー需給に影響が出るのは何とももどかしい。さてロブスタ種はそういった現状だが、もう一つのアラビカ種も温暖化の影響により2050年にはコーヒー栽培に適した所謂コーヒーベルトの土地が半減するともいわれているだけに、引き続き今後の価格動向を注視しておきたい。