エネルギーとヘッジ需要
昨日の日経紙グローバル市場面では「電力先物取引が急拡大」と題し、地政学リスクの高まりや異常気象などで世界的に電力価格が変動し易くなり、価格変動をヘッジする需要が高まっていることなどを背景に電力先緒の取引が拡大している旨の記事があった。日本でも19年から電力先物取引が開始されているが取引量としては欧米勢には及ばないのが現状。
電力先物の取引高としてはエネルギー関連の不安定な環境を背景にドイツが突出しており、日本の電力先物にも参入しているEEX(欧州エネルギー取引所)での取引高は前年比の伸び率は52%にも上っているが、エネルギーといえば米でも例えばICE(インターコンチネンタル取引所)なども近年は天然ガスや原油などの取引の割合が急増してきているのが現状だ。
上記のドイツなどウクライナ戦争や中東情勢の悪化が天然ガスなど燃料価格の変動を大きくするが、ICEでは特にこの天然ガス先物の引き合いが増加し足元ではその建玉が過去最高を更新していること事もありエネルギー関連の売り上げは32.1%増と大幅な伸びを演じている。エネルギー・トランジション時代も見据え米大統領選でもエネルギー政策は大きなテーマでもあるだけに今後もこのマーケットには注目しておきたい。