寿司リブランディング
さて、昨年末に株主優待を廃止したのも束の間、そこからわずか2か月で株主優待の復活を発表し株価もストップ高に沸いた東証プライム市場上場の「くら寿司」だが、本日は同社の高級路線の店「無添蔵」が中目黒にはれてオープンしている。既に関西エリアでは数店舗展開しているものの、関東エリアでは初の進出となる。
ところで回転すしチェーンといえばその全体の店舗数の推移だが2022年の4270店をピークとして、2023年は4201店、2024年は4164店とここで2年減少してきている。中小含めた各社の出店で地方の幹線道路沿いなど特に飽和状態となり、競争が激化した事などを背景にしてこうしたロケーションの店舗整理が進んだものとみられる。
斯様に地方出店が飽和化しつつあるなか、都市部へはまだ出店の伸びしろがあるということで新たな選択肢としてこの高級路線投入か。外食産業ではこうした高級路線とコスパとの二極化がいわれているが、高級路線を投入した「くら寿司」の対でコスパ路線を数年前から投入しているのが、ここ数年「すしざんまい」に変わりマグロの初競りにおいて1番マグロを競り落としている高級寿司店「銀座おのでら」か。
ここは2021年10月に表参道に新業態の低価格回転寿司とをオープンし、その翌年4月には若手職人育成を兼ねたこちらも“おのでら系”では低価格を謳う立ち食い寿司店をオープンしている。 “高級店の低価格路線”と“低価格店の高級路線”、両者の価格帯も近くこれはこれでどちらが当たるかたいへん興味深いが、今後もこの二極化の拡大が予想されるなか他と如何に差別化が図れるかが各社とも勝負所になってこようか。