枯れ木に花の抹茶バブル

先の帝国データバンクによる食品値上げ状況にもあったように、今月から伊藤園やコカ・コーラの緑茶飲料などが値上げされている。確か昨年の10月に値上げしていたような記憶があるが、数か月で追加値上げとはなんともピッチが早い。背景には容器代や燃料費のコスト上昇もあろうが、前にも書いたように世界的な“抹茶ブーム”の影響による茶葉の不足が効いているだろうか。

近年のお茶人気で、緑茶の輸出額は2015年には約100億円であったものが、2024年には過去最高の364億円、今年はそれを上回るペースで推移しており、昨年前期7か月間の抹茶・緑茶合計の輸出量は金額ベースで既に2020年全体の2倍に達している。この抹茶ブームによる需要増加から生産地で取引された荒茶価格はこちらも昨年の2倍以上に急騰し平成以降で最高値を記録している。

農水省も昨年には抹茶生産量を増やす方針を発表しており、長年煎茶を生産してきた茶農家はてん茶にした場合の単価が大きく違ってくるということもありてん茶栽培への転向が急増している。ちなみに2024年度の価格は1キロ当たり平均で煎茶が1197円、対して、てん茶の方は3278円と2倍以上の価格差となっており、同年のてん茶の生産量は10年前から約2.7倍に増加している。

世界的にも抹茶の市場規模は拡大を続け2033年にかけて年平均で7.12%の成長が予測されているというが、追加値上げに踏み切った冒頭の伊藤園も昨年5-7月期の海外事業の営業利益が前年比で31%増となっており、これを商機と捉えて生産能力を2倍にするという。日本人の日本茶離れでひところは縮小傾向にあった茶の産地だが今や枯れ木に花の様相、花咲爺がインバウンドのケースは多いがこのあおりは国内消費者に跳ね返り更なる茶離れを招かぬ何とも悩ましい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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