70ページ目   商品先物

国際標準には遠い全体像

さて、他の決算ラッシュに埋もれて商品業界でも上場企業の決算が先に出揃っているが、果たして商品先物受託業務を行っている企業は軒並み赤字計上となっていた。

思えば株価も昔は未収の加味等もあって万年低PBRといわれていたものだが、今や別な要因でPBRも物差しで無くなってきているという意見もある。今回ざっと見ると各社共に市場規模縮小が進む中で収益寄与というか緩衝材の役目となっていた物にディーリングがあったが、今後も収益の多様化という課題の部分で各社試行錯誤が続くか。

ところで昨日の日経紙経済面には東証の取引参加者が減少し、売買高も細って東京市場の地盤沈下が懸念される旨が載っていたが、まさに商品取引所も同様の状況に置かれているのは直近に始まった事ではない。同じ会員数の減少で地盤沈下を謳っていても証券と商品ではその影響度も全く違う物となってくる。

世界標準を目指しそこそこ纏まった投資を足元ではしていたとしても、世界標準で起きている巨大取引所の再編という構図は今の縦割り行政も複雑に絡みまだ当該取引所にとっては他人事で、各取引所サイドと会員組織との間の温度差が縮むのは何時の事になるのだろうか。


原油ETF

昨日は関西商品取引所の話を書いたが、さてここもそうだが商品取引所が挙ってMOUを結んでいるところに大阪証券取引所がある。今週はこの大阪証券取引所が先物取引で運用するETF(上場投資信託)を上場できる制度を7月に導入すると発表、第一弾として原油先物に連動したETFの上場を図る模様だ。

金銭信託型ETFは現物交換型ETFの交換に相当する行為として投資信託の一部解約を認める他、其の他の上場審査基準、適時開示、上場廃止基準を現物交換型と同様とするなど上場制度を整備としているがこうしていよいよ銘柄も加速、上記の通りMOUを交わし各取引所の上場商品が続々と上場してゆくという事になると、この先は所謂コモディティー投資のスタイルも変遷してゆく事になるのだろうか?

ボンヤリとそんなイメージを考えると、昨年商品先物の受託から撤退していったマネックス証券が当時言っていた「金ETFなど商品と連動する金融商品が登場して来た事で、今後はそれらの方が商品先物より活発になると見て打ち切り決定した。」という言葉が急に思い出されるものだ。


あれから3年

昨日は東工取が08年度決算を出していたがなんだかんだで減収減益となった模様、その前にはローカルなところで関西商取が同じく08年度決算を出していたが事前予測通りここは5期連続の赤字となっていた。

ところで昨今上場企業で3000番台の繊維ポストとはいえ中身は既に業態転換し不動産がメインとなっている企業は少なくないが、この関西商取も比較的赤字幅が安定?してはいるものの収益の6割を不動産収入に依存し仮にポスト割りしたら実質は8000番台の仲間?に入る類ではないか。

それも其のはず新年度を前に既報の通り日本ユニコムや岡藤、また岡地など主力どころが続々と同取引所の受託業務を廃止の方向に持っていっており、全国4取引所の売買高に占める割合は今や1%にも満たない現状。そんな中、昨日は東穀取に対して合併を視野に入れた連携強化を目的とする共同研究会を設置する提案書を出しているが、コメ上場という共通の悲願がボンヤリとイメージされる程度しか浮かんでこない。

そのコメ上場も農水省に不認可として蹴られてからもう早くも3年以上が経っているが、再度トライと言っても昨今の政局、また足元ではこのリクイディティを見るにつけこれまた紆余曲折か。


ヘッジニーズとモデル転換

本日は、先にドットコモディティを取次先として石油デリバティブ事業の共同展開合意の発表があった石油仲介業者のギンガ・ペトロリアムが、TOCOMの石油製品価格を活用したデリバティブ取引を始める方針を正式に明らかにした。

この辺に関しては先月、TOCOMが全国の石油販売業者を対象に実施したアンケート調査の結果を発表しているが、スポットより割安であった等の理由でガソリン・灯油の卸値についてTOCOMを指標にした業者が40%以上になっている事も明らかになっているが、一部の会計士に言わせれば現況の月決めや週決めもいずれ日々決め単位になって来るともいわれ、これらの動きが今後スタンド等の淘汰のトリガーになってくるのは明らかか。

ところで主務省である経産省も先にこうした他に原材料乱高下下で中小企業支援策として商品先物市場の活用を呼び掛ける方針を固めているが、振興協会あたりも中小事業者に先物市場を活用してもらう目的で設置した「ヘッジ取引普及検討会」会合等を開いたりしてその啓蒙も市場死活問題の側面も絡んで力が入ろうというもの。

折しも本日は外資のノーブル・ジャパンが取引資格を取得、取引所も悲願の期近へのリクイディティ誘致に期待が掛かるところだが、この石油にしても元売り勢からは油種の多様化が強く求められている。中部軽油にしろ取組ゼロ状態でここ半年もデリバリーも無い状態、先月中旬の日経紙夕刊一面に「TOCOM、石油先物を拡充」と出ていたがいろいろと今回は正念場である。


受け皿になれない構造

さて、先に中国株投信の人気再びを採り上げたが、昨日まで上海総合指数は続伸し4営業日連続で年初来高値を更新。なんとも勢いがいいが今年第一・四半期の中国GDP統計に関する楽観的な見方が支配的となり非鉄相場までも破竹の勢い、本日前場の上海先物取引所の亜鉛相場などはストップ高まで買われている。

この非鉄といえば他もLMEの在庫減少を囃して東京非鉄現物は軒並み高となっているが、さすがにジワジワと反応してきた関連株も今日は派手に値を飛ばす物もあり、東証一部業種別株価指数でも同セクターの値上がり率は目立っている。

余談ながらメッタ売りに遭った相場において王道の主力モノを拾いソッと寝かしておくのも一つだろうが、懐疑の中で戻す相場では一月足らずで株価倍増が続出するのはやはり低位の三番手クラスが常でそのパフォーマンスは抜きん出ている。

こうなると当然ワラント市場でも対象銘柄のコールなんぞは90%を超える上昇率を見せるなどなかなか面白いが、こうした関連モノへのマネーの流れを見るにつけつくづく商品先物市場における関連モノの衰退というか撤退はなんとも残念。もっとも過去野菜が高騰した際でも全く反応しなかったのが記憶にあるがこれも消え、現存している物でも全くリンクしないでその存在意義の無いもの多数であるがこの辺がやはり根源なのだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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