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発掘余地

さて、シリーズで日経紙にはニッポンの株主2014として連載があったが、昨日のそれは「個性豊か、運用改革競う」としてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が日本株の運用委託先を見直し、新しく選ばれた中には外資系運用会社も登場するなどして市場の関心を集めている旨が書かれていた。

これら外資系は各々個性のある運用会社が多く、当然ながらこれまで投資してきた保有銘柄にも自ずと関心が向かう。これらのなかにはオーソドックスな大型優等生タイプも含まれるものの中小型株もリサーチを繰り返し独自に光るものには積極的に投資しており、日経平均に左右されずここ上昇してきている物にはこんな中小型株が多い。

そんな環境で年初来高値更新銘柄も連日増えてきているが、そういった面子を並べてもこうしたものが多く、万年割安だったものの水準訂正がここ顕著である。中小型系はスポットライトがあたらないと割安感も無視されとことん放置されるがタイミングが合えば短期で抜群のパフォーマンスを見せる。

循環が利いてある程度水準訂正が進むと順次手も出し辛くなってくるが、二番手三番手でまだ手垢の付いていない物は水準訂正のある前にそっと拾っておくのもまた妙味があろうか。


年初来安値

本日の日経平均は欧米株高などを映して寄付前後は好スタートとなるも、あと上げ幅を徐々に削って小幅に3日続伸となった。騰落レシオ等を睨みながら利食いが断続的に出ているものの下値には年金とみられる買いが控え深押しも無い微妙な立ち位置となっているが、先週の日経紙には「秋の波乱 備える個人」として本格的な波乱相場に備える個人投資家の動きが載っていた。

ここでは日経平均VIが200円以上急落した当日に17.3と、前日に付けた3年ぶりの低水準から6%上昇し、水面下では「NEXT NOTES日経平均VI」の物色など波乱に備える動きも書いてあったが、このETNは本日年初来安値を更新している。

他にこういった心理系では国際のVIX短期のETF等もあるが、これもまた本日は年初来安値更新となっている。その性格上絵に描いたような長期ダウントレンドとなっているが、波乱に備えてのヘッジとして有効なのかどうか。短期で掬うにはオプションもまた選択肢として浮上すると思うが、一頃に比べボリュームに厚みが出てきた点は一応注目か。


株主総会模様

さて、近年では株主総会の分散化が随分と進んではいるものの明日あたりが株主総会のピークで、株主総会決議通知など順次発送されているというところだろうか。ところで、いま世界中を釘づけにしているワールドカップではレッドカードが切られるシーンも目にするが、今年の株主総会も各社でけっこう退場者が出ている旨が見出しで何気に目立つ。

本日の日経紙で機内インターネットサービスの全面広告を出していたJALが日本武道館で行った株主総会では2名が強制退場、またこのJALと同日株主総会を開催したドコモの総会では質問打ち切りに不満をぶつけた株主が退場させられ、ソニーの株主総会でもヤジる株主に退場勧告が出た模様である。

斯様に退場者といっても今や普通の?一般株主である。一昔前のように社員株主で最前列をがちがちに固めたり、総会専用に選任されたような脇役員がデキレースで纏めるシャンシャン総会のようなイメージでなく他一般株主に同意を求めるようなマイルドな光景から時代の流れを感じる。

個人株主といえばお土産を楽しみに出向いている向きも多く、今年はこの土産廃止した企業の総会出席者数が3割から7割も減った企業もあったというからなんとも顕著だ。またアクティビスト復活とも言われているがこれまで意外?にもそういたファンド勢は静観の構え、ただ先日書いたようにスチュワードシップ・コード導入もあり今後その辺がどう意識されてくるかこの辺が注目である。


成長期待を買う

本日の株式市場はこのところの過熱感を警戒し反落となったが、そんななかで昨日マザーズ市場に鳴り物入りで上場したネット広告配信枠取引プラットフォーム等を提供するフリークアウトが、上場2日目となる本日に2,000円の公開価格から実に3.5倍となる7,000円で漸く初値が付いた。

その過熱ぶりに現金即日徴収や自己、成り行き注文等の規制措置が打ち出されるまでになっていたが、サイバーダイン同様に依然として成長期待の高いビジネスモデルに対する関心が高い物の人気は旺盛なようだ。

このIPOに絡んではちょうど本日の日経紙に「新規上場7年ぶり高水準」として、今年はこれまで26社と前年同期から3割増えるなどその復調ぶりが鮮明になってきている旨も書いてあったが、後半戦に再上場となるすかいらーくやリクルートHD、そして最大の話題株であるLINE等を控え個人マネーの動向がますます注目される。


インセンティブ多様化

週明けの日経紙には「新型の株式報酬」として、自社の株価が一定水準を満たす場合のみ新株予約権を全て行使できるようにした三井物産や、株式をあらかじめ決められた株数でなく事前に設定した金額に換算し交付する仕組みを採用したADワークスなどの例が出ていた。

この手の報酬といえば今年の1〜5月にストックオプションの付与を決めた企業は前年同期比で24%増の178社となり、1〜5月としてはリーマン・ショック前の2008年以来、6年ぶりの高水準になったとも週末の同紙には書いてあったが、ここ数年で随分と身近になってきた感が強い。

そんな一例で従前は役員向けのイメージが強かったが、近年では役員はもとより正社員でないバイトまでもストックオプションの権利を配る範囲を広げている例もあり、この辺もまた企業のカラーが出ていて面白いというものだ。

ストックオプションの報酬を巡っては今年の初めにこれを使って得た2年分の所得を隠し、所得税法違反の罪に問われたクレディスイス証券の元部長に対し東京高裁で無罪判決が出たのが記憶に新しいが、役員報酬としての株式譲渡の場合交付金額を事前に確定させておくと企業側が税務当局から費用として認めてもらえる利点もあるとの一文もあったが今後ますます多様化が進みそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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