168ページ目   雑記

国税包囲網

さてちょうど一週間前の日経紙だったか「税逃れにけん制効果」と題し、国税庁が約100ヵ国・地域が自国内の金融機関にある外国居住者の口座情報を交換する新制度により、先月末時点で日本居住者が海外に持つ口座情報約55万件を入手したとの発表がなされた旨の記事があった。

国税庁としては長年にわたって所謂富裕層の海外資産の把握には苦心が続いており、これによって税務調査や課税・徴収が大きく前進するのはもとより脱税していた向きにも適正申告や修正申告を促す効果が出て来るのかどうかというところだが、直近では国内でも高級外車を巡る売却益隠しや申告漏れが炙り出されるなどなかなか厳しくなって来た。

この高級外車のケースでは約20の法人と個人が東京国税局などから指摘を受けたようだが、この手の一部富裕層は知ってか知らぬか購入する車種もなかなかその価値が下がらないモノを見抜く選択眼を持っているのか否か、往々にして売却した際に減価償却で減りゆく帳簿価値とその売却価格とが大きく乖離するケースも多いことがその背景か。

タワマンの節税も或る意味こうした評価額の乖離を利用したものだが悪気無くその辺の誤認という部分も一部あろうが、いずれにしても近年はビットコイン等の仮想通貨で「億り人」なる思わぬ所得を得たニワカ成金も話題になってきたこともあり、国税側も次々とその包囲網を張るのに余念がない。


季節の味覚が危うい

昨日の日経紙夕刊一面では「冬の食材、カニ最高値」と題して、温暖化の影響で水産資源が年々減少する一方、中国と韓国の輸入量が4年間で3倍に増えるなどアジアでのカニ人気の高まりからズワイガニとタラバガニの輸入価格が過去最高値となっている旨が載っていた。

ズワイガニはちょうど本日、日本海側の地域で漁が解禁となったが、上記のような背景の一部に朝日紙では日本海区水産研究所は資源調査に基づき今年は昨年並みの水上げが期待できるものの、来年以降は未成熟の稚ガニ数が少なく資源量減少から3年後には今年の二分の一程度まで激減するとの予測を出している旨の記事を見た。

そんなワケでズワイガニに関してはここ5年で値段が2倍以上になったというが、資源量減少で長らく云われているウナギの高騰からここ数年は異常気象やカニ同様のアジアの嗜好傾向からサンマもその値段が不安定になるなど、夏のウナギから秋の味覚のサンマ、それに続いて冬の味覚も次第に高根の花になりつつある危うさを秘めている。


メジャー&マイナー

週明け本日の日経平均は、先週末の米10年債利回りが10月10日以来の高値水準となった事を嫌気し米株式が4日ぶりに急反落していた事を受け急反落となったが、安値揉み合いに終始した後場は日銀によるETF買い入れ観測も出ていた。この日銀によるETFだが、先週末の日経紙・この数字の項にあった8700億円という数字が目についた。

この数字だが、日銀が買い入れているETFの月間購入額が米国株の急落に連れ日経平均も軟調を余儀なくされた事などから、10月度は8700億円と過去最大級になったという。購入メドなど柔軟にしたがこのペースだと年末には購入額の残高が6兆円を上回る可能性が高いといいまたいろいろと物議を醸し出しそうだ。

ところでETFといえば、投資家層を広げる狙いから楽天証券は三菱UFJ系の16本を、マネックス証券は3本を、SBI証券は一部ETFの手数料を3か月間無料にするとの旨も同紙のマーケット面で見た。さすがに国内個人の主力となっているレバ系はドル箱だけに対象外となっているようだが、曲がりなりにも初日の売買代金は増えた模様で先のマーケットメイク制度導入と併せ裾野が広がる一助となるか否か今後に期待したい。


2018ハロウィーン

周知の通り昨日はハロウィーン本番であったが、昨年台風22号の影響で不完全燃焼となった鬱憤晴らしもあってなのか、渋谷のスクランブル交差点やセンター街あたりでは平日にもかかわらず一層節度の無い激しさを増した行動が報じられていた。

昨年の今頃に当欄でハロウィーンを取り上げた時には、テーマパーク以外でも特に商材を選ばないので様々な業種・業界がビジネスとして参入し易い素地を持っていると書いたが、果たして今年は帰宅困難者向け配車サービスやハロウィーングッズのリサイクル等々イベント後にまで商機を見出したサービスも出てきている。

とはいえここ数年でバレンタインの市場規模を上回って来た事が話題になったハロウィーンだが、その上ザヤに転じた一昨年の1345億円から昨年のそれは1305億円と減少し、今年は減少幅も更に大きくなって1200億円台にまで減少するという推定も一部で報じられている。

10月の恒例イベントとしては定着したともいえるが、過日見たニュースでは今年ハロウィーンの予定がある人は何所で過ごすかという調査では約8割が家で気楽に過ごすと答えており、冒頭のように街中に繰り出すという向きは16.9%止まりであった。ハロウィーンは仮装さえしてしまえばあとは何をやっても良いという点のビジネス楽観論もあったが、今後の消費創造はこうした向きの取り込みもキーとなってくるだろうか。


加点か減点か

さて、確か先々週だったか日経紙マーケット面の広告で「進化するESG投資」と題してイベント&セミナーの案内が載っていたのが記憶にあるが、このESGといえば今日の同紙投資情報面には「スルガ銀株主の反省点」と題し、同行に投資して損失を被った投資家はESGの分析をちゃんと見ていれば避けられたとの旨が書かれていた。

MSCIの格付けでは企業の公開情報をふまえESGの観点でそれが為されていると同紙では書いてあったが、スルガ銀は下から2番目のシングルBだったらしい。ただESGに重きを置き過ぎると優れた中小企業などを排除してしまいかねないともあり、解決策の一つは銘柄選びの発想を変える事としてある。

同紙ではESG投資で実績のある仏ミローバの投資例が出ていたが、なるほど成長性や社会貢献度といった加点法的チェックが本邦では一般的とされている一方、ミローバ含め欧米勢のESG投資の認識は環境配慮や順法意識が低い企業を投資対象から外す減点法的チェックとネガティブスクリーニングが主流で、この辺りが所謂目線のズレを評価をする側とされる側とで生じさせてしまっているのかもしれないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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