286ページ目

前半戦好調

本日の日経紙マーケット面には「IPO39社 高水準続く」と題して、堅調な新興市場が追い風となって今年の1月から6月に新たに上場企業の仲間入りを果たした国内企業が39社と、ここ10年で最多だった15年の43社、そして昨年の40社に次ぐ多さとなった旨が出ていた。

当欄では5月の中旬にも「中小型偏向」のタイトルで、過去1年間に上場した企業の値動きを示すQUICK IPOインデックスが約10年4ヶ月ぶりの高値を付けるなど指数が高水準になっている旨を取り上げたが、先月も日経紙で今年に入り上場した35社のうち9割強の32社で株価が公開価格を上回っている旨を報じている。

とりわけこうした新興モノは個人の懐具合を測る目安になるが、直近のGameWithもマーケットからの吸収金額が16億円超の案件であったものの初値は公開価格の2.34倍となっており、信用評価損益率の連続改善等この辺に因るところも大きいか。斯様な投資余力の回復で循環物色が今後もうまく回ってゆくかどうか引き続き今月のIPOも注目される。


一強体制盛者必衰

さて先週火曜日の当欄末尾では「国政にも可也影響のある都議選も間近、一強安定政権の足元評価を一寸注目したい。」と書いておいたが、その東京都議選が昨日投開票され周知の通り小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が自民党から第一党の座を奪い、公明党等と併せた小池支持勢力で過半数を上回ることとなった。

この公明党は小池劇場の御相伴にあずかる戦略が奏功し難を逃れた?が、都議選前日に自民候補を推していた地元の有力者と雑談していた時も半ば諦めムードさえ漂っていた通り果たしてというか自民は政権交代直前で過去最低だった2009年をも大きく下回る議席で過去最低と崩落した。

ここのお隣千代田区では都議会のドンといわれた有力議員の後継者といわれた若手も敗れたが、敗者の弁で直近の2回生不祥事を挙げて「脇が皆さま甘すぎますよね」との恨み節がリアルであった。近年ポピュリズム台頭が世界中で顕著だが、ここ一連の国民に対する態度への総括審判が如実に下された結果だったのではないか。


今年の総会土産

本日は上場企業の定時株主総会がピークを迎えていたが、昨日記のタカタが一昨日に法的整理申請前に予定していた総会を開催、昨日には同じく渦中の東芝が決算報告無しという異例の総会が開催され、それぞれトップが平謝りに終始し虚無感漂うなか取締役の再・選任案が可決された旨が報じられている。

ところで株主総会といえば別の場面では、先週に双日が開いた定時株主総会で会場を訪れた株主数が昨年より9割も減った旨が報じられていた。双日に限らずこの翌日に開催された神戸鋼の株主総会でも、会場を訪れた株主数が昨年より半減したと双日と同様な光景も見られた。

これらに共通するものとして言われているのが、これまで総会で配っていた株主向けの所謂「お土産」を今年から廃止したという背景とか。株主間の公平性の問題や世間の趨勢を踏まえての判断と各社口を揃えるが、関係者の間では売買単位の引き下げ等で個人株主が増加し会場確保等の問題も絡んでいるとの指摘もある。

上記企業の他にも50社を超える多数の企業が今年からお土産の配布を廃止しているが、お土産廃止で出席株主数が斯様に大きく減少する様を見るに、総務省の顔色窺いで返礼品内容を半減させた自治体へのふるさと納税が大きく減った様が思い浮かぶというものだが、お土産相当額を地震被災の支援に充てたり体験会やセミナーに代える企業もあり此方でもモノからコトへとシフトする動きが出てくるか


エアバッグパンク

さて、民事再生法を織り込み先週は連日のストップ安が続いていた途中で国内メーカー支援報道から週末にはまさかのストップ高と絶好の逃げ場を提供したタカタ株が、週明けの売買停止を経て本日は週末のストップ高水準からほぼ五分の一水準で寄り付き上場廃止までの鉄火場ゲームがスタートとなった。

上場企業のパンクは思い出すと一昨年の第一中央汽船以来だと思うが、今回の負債額は最終的に1兆円を超え製造業では戦後最大の規模となる模様だ。思えばリコール問題が出た当時はここまで時間をかけ全自動車メーカーが製品を採用する先駆的トップシェアの企業がパンクするとは思ってもみなかったが、近年はほんとうに何が起きるか解らない。

上記のように「まさか!」と思う向きが多いだけに暴落が始まった先週だけでもネット証券大手のNISA口座の出来高ランキングでは同社株がベスト3に入るなどしていたが、残念ながら紙屑になるだけでなくその損失も利益と損益通算が利かない泣きっ面にハチ。こんなところでNISAの理不尽さも垣間見るというものだが泥船に乗らぬよう気を付けたいもの。


魔の2回生

さて、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る安倍政権の対応に政府・与党内からも疑問や懸念等が出始めるなか、先週は自民党の豊田真由子衆院議員が秘書への暴行や暴言が週刊誌で報じられたことを受け党本部に離党届を出すに至り、それをまた麻生副総理の失言が性差別云々で物議を醸し出している。

当欄で自民議員の失言に最後に触れたのはちょうど一ヵ月前くらいの大西議員であったと思うが、一寸遡ってもそれまでに一昨年8月は武藤議員が未公開株を巡るトラブルで離党、そして昨年2月には宮崎議員がゲス不倫で辞職、その後の9月には務台議員が被災地のおんぶ視察で辞任、そして今年に入ってからは中川議員が重婚ウエディングで離党となんとも酷いありさまだ。

で、全国に恥ずかしい暴言が放映されてしまった今回の豊田議員だが、しかしさすがにこうも不祥事の見本市のように立て続けに問題が起きると2回生はハズレ年だなとつくづく。当の幹事長代行にまで2回生でそういうのが出ているのは本当に残念と言わしめているが、国政にも可也影響のある都議選も間近、一強安定政権の足元評価を一寸注目したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

1

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31