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短期需要

本日の日経紙マーケット面では「短気売買制限論の弊害」と題し、政府や企業の批判論者が投資家の短期志向を抑えようとしても決算発表後に乱高下する銘柄が目立つ旨が載っていた。その理由として順張り短期筋の横行ともう一つ、約1年前から証券会社のアナリストが決算前の企業取材を自粛するようになった事が挙げられていた。

アナリストといえば本来は企業の実力と株価の乖離を発見するのが役割というのが一般論だが、上記の縛りも元はといえば未公表業績情報を顧客勧誘のツールとした動きがあった事による行政処分を鑑みた措置で、ココにもやはり業績に関する所謂早耳を欲する短期的視点を擽るエサの需要が高かった事が窺える。

其処の部分を当局指導で縛った弊害?でサプライズ銘柄の乱高下が横行している部分もあるのは否めないところだが、既にビッグデータをAIを駆使して解析し決算結果と予想値の乖離をアナリスト以上に高精度で絞り込むモデルも開発されている旨が同紙には書かれており、モラルの観点からガイドラインの縛りが入る裏では粛々と技術革新は進行しているようだ。


低PBR事情

本日の日経紙マーケット面には「資源株に3つのリスク」と題して、昨日の業種別日経平均・石油が9年振りの高値圏に並び資源ポストに対して強気な投資家が増え物色の対象になっている一方で、外部環境の先行き不透明感もあり向かい風に変るリスクもはらんでいる旨が書いてあった。

確かに個別では出光が先月末に年初来高値を更新、資源の雄三菱商事は今月あたまに年初来高値更新、JXと三井物産も揃って昨日に年初来高値を更新と夫々勢いはあるものの、米のリグの稼働数が15年10月以来の高水準となっているなど年明け以降膠着状態を呈している原油相場を警戒する指摘は多い。

またCFTC発表のWTIにおける商業部門のショートは先月末時点で過去最高の154万9,219枚と過去最高、一方投機筋のロングも16年11月以降の価格上昇局面で膨らみ先月末時点で66万7129枚とこれまた過去最高水準となっており内部的にも警戒される。上記銘柄が直近で年初来高値を更新するも、何れも低PBRが目立つのはこの辺の事情も反映しているというのは否めないところか。


2部指数最高値更新

さて先週末の日経紙マーケット面では「東証2部指数最高値」と題し、週末の東証2部株価指数が2006年以来およそ11年ぶりに過去最高値を更新した旨が出ていたが、本日も値上がり率ランキングにはTOBの2部ニッコウトラベルがストップ高で堂々の一位となるなど同指数は4日続伸となっている。

中長期で同指数を底上げする原動力となった背景として寄与度の高い時価総額首位のシャープ株価が約4倍近くに化けた事が主因と書かれてあったが、本日も上記のニッコウトラベルはじめ鉄道関連株人気から先週のストップ高の余勢を駆って森尾電機が続急騰、ほかフジマックもストップ高するなど個別でテーマ物色も旺盛である。

斯様に個人の小型株選好や同紙では中小型株へ投資するファンドも年々増えている旨の指摘もあったが、日米首脳会談も終了しVI等がじわりと低下とはいえ今後もトランプ大統領の朝改暮令な言動で一喜一憂場面が出てきそうな状況に変わりはなく外部環境に左右されにくい2部の一角はまだ折に触れ物色の対象にされそうだ。


ETF格付け

本日の日経平均が日米首脳会談を前に手控えムードから反落となるなか、ETFおよびETNの売買代金はNEXTレバレッジなど日経平均連動型の増加が寄与し前日比13.1%増となっていた。ところでこのETFといえば、一昨日の日経紙投資情報面に投資信託評価のモーニングスター社がETFの格付けを始める旨が載っていた。

日銀買い入れやロボアド等の普及でETF純資産残高は増加しており投資家の利便性を高めるというが国内ETFの155本を5段階で評価するという。東証にETFが導入されて以降各社の開発努力や啓蒙活動が奏功し飛躍的に銘柄数も拡大、今ではザッと200銘柄以上もあるが人気のレバレッジ型など売買代金を稼ぐ一方で終日出来申さずという銘柄があるのも現状だ。

ここ最近の商状では上位3銘柄程度で全体出来高の約半分も占めているという感じだが、上記の通り取り敢えず組成して埃を被っているモノも少なくない。同社は将来的には評価基準に指数との連動性などを入れることも検討するというが、ほとんどリクイディティーが無いモノが散見されるのも東証が10年ほど前に一部の上場廃止基準を撤廃した事に起因するケースもあり今後はこれらの扱いも課題になって来ようか。


一次放出から30年

本日の日経紙朝刊一面の市場の力学には「バブルの傷拭う新世代」と題してその冒頭ではNTTが初めて東証に上場した際の事が書いてあった。明日ではや30年といったところだが、今でも当選のハガキが当時住んでいたアパートの古ぼけたポストに投げ込まれていたのを見つけた時のある種ドキドキ感が鮮明に蘇るものだ。

当時は地上げ等が都内でも横行し始めた頃でまさにバブル序盤戦といった感じであったが、当のNTT株も上場して一月もしないうちに100万の大台が200万、そして300万円と二つも変わるなど土地と共にバブルの様相を呈することになり、これに味を占め同じ年には一時の2倍以上の価格で二次放出が行われる事になる。

そのNTT以来の大型上場とした先の郵政グループ株3社放出は日銀が決定したマイナス金利政策を背景に、ちょうど一年ほど前にはかんぽ生命などそれこそ半値水準まで株価が崩落する憂き目に遭っていたが、この二次放出以降の軌道に垂らし合わせる向きも多かっただろう。これら鑑み試行錯誤の放出をしてきた政府の次の手も注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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