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期待プレミアム?

本日の日経平均は良好な欧米の経済指標や内外企業の好決算等を受けTOPIXと共に4営業日ぶりに反発となったが、個別では周知の通りタカタ株が売買最終日を迎えた。寄りは2円安と小甘く寄り付きあと17円まで緩んだが、その後はプラス圏に切り返し35円まで急騰と前場だけで株価2倍化を演じるなど最後までボラタイルな動きであった。

先週の当欄で「テンバガー玩具」として取り上げた際の末尾では「電子化で券面コレクションも不可能な今のご時世、オプションSQならぬ最終売買日は如何ほどで引けるのか注目しておきたい。」と書いたが結局終値は18円の引けとなり、最終売買日の終値が驚きの二桁となったスカイマークの14円を更に上回るなど何とも理解に苦しむ。

まあ、スカイマークの時など思わぬ値持ちの良さで前社長は持ち株を売る絶好の機会に恵まれたワケだが、普通に考えれば同社の負債総額は1兆円を超える事が確実視されており上場廃止後に100%減資というコースだろうが、要はこれが未決定の部分の期待プレミアムが乗った格好という事か。破綻後の珍現象として語り継がれる事例がまた一つ増えた。


机上の空論

先の日曜日の日経紙社説には「問題が多いキッズウィーク」と題して、子どもの夏休み期間を削り秋口などに移行するという論議が政府主導で始まった旨が書いてあった。所謂「キッズウィーク」で、夏休みなど長期休業の一部を別の時期に移し親にも一緒に休暇を取るように促して消費や観光需要を喚起する狙いというもの。

政府の旗振りで斯様に消費や観光需要を喚起する狙いで打ち出したイベントとしては「プレミアムフライデー」なるものが記憶に新しいが、かれこれ開始から4ヵ月を経ても現状としては街のレストランなどプレ金に合せて企画したイベントが空振りで閑古鳥という報道が多く目に付く。

認知率に比較しその普及率は凄まじく空振りの事態となっているのは当初から想定はされていたが、キッズウィークにしても概ね二の舞を演じてしまうようなハメになるのは想像に難くないか。こんな机上の空論ばかり無理矢理導入してしまうなら、いっそ金曜日へ振り替え休日を設けるハッピーフライデーの方がまだ即効性があるような気がしないでもないが。


丑の日商戦

さて、明日は毎年恒例の「土用の丑」の日である。今年は来月にもあるが鰻といえば数年前の不漁による高騰が記憶に新しいが、消費の方もそうした影響から2000年の年間17万トンから昨年は4万トンと大きく減少しているのが現状のようだ。

シラス等の価格は10年で約10倍にまで跳ね上がったが老舗の廃業等もまじえ一頃の狂乱価格は沈静化、漁獲高も大幅な回復を見せ今年はかば焼き用の国産うなぎの仕入れ値が下落している模様だ。それらを反映してか店頭価格も昨年より幾分安くなっているようにも感じるがこれで消費も喚起されるか否か。

ふるさと納税等でもスーパーで購入するよりはるかにお得ではと思うような可也ボリュームのある鰻が多数この丑の日に照準を合せて出てきているが、思い返すに数年前はアベノミクス効果で兜町の鰻屋の特上モノが品薄になるなどの景気の良い話題があったものだが、上記と併せ消費の盛り上がりが復活するかどうか商戦の行方が注目される。


テンバガー玩具

さて、世論調査では安倍政権の支持率が30%割れの急落となり、センティックスによる経済・投資環境に対する信頼感調査で米国の先行き指数も続落しマイナス1.5に沈むなど、日米政治リスクに備えるような構えで今週はオプション市場では8月・9月限で190プットが大きく出来高を増やす場面が見られた。

プットが堅調な日は対照的にコールのプレミアムが一気に半値以下まで値を消すなど超乱高下の値動きだが、今週は株式でもこんな動きに終始したモノが先に破綻したタカタ株であった。七夕の安値から1週間で実に10倍以上に化けたあと2日後には6分の1に暴落、昨日の値下がりランキング1位が今日は一転して値上がりランキング1位に躍り出るなどまさにオプションさながらである。

いよいよ来週には最終売買日を控えながら今日の大引は値上がりランキング1位で40円。こんな光景で思い出すのが、ほとんど無価値になるはずの最終売買日の大引値が14円と異例の二桁となった一昨年のスカイマーク株か。遡れば10年以上前の足銀や、20年以上前の京樽等もそうだったが電子化で券面コレクションも不可能な今のご時世、オプションSQならぬ最終売買日は果たして如何ほどで引けるのか注目しておきたい。


後ろ盾無き通貨

本日の日経紙金融経済面には「ビットコイン一時停止」と題し、利用者や取引量の急増で送金等への影響が出始めその解決策を巡っての各所の対立から取引所サイドが顧客保護の名目で来月1日からビットコインの入出金を停止する発表をし、一部海外取引所も先駆けてこれに倣う動きの旨が報じられていた。

こうした分裂騒動を嫌気し当のビットコイン相場は先週後半には1,900ドル割れまで下落する場面が見られるなど約2ヶ月ぶりの安値水準まで急落の憂き目に遭っているが、連動するようにこれまで当欄で取り上げて来たリミックスポイントやトレイダーズHD等の仮想通貨関連株もこの1週間で2割強の下落と連れ安を演じている。

週明けになって分裂回避の見方も一部に台頭してきたものの、これらの関連株は本日も依然として軟調推移と不透明感は払拭されていない。仮想通貨の弱点としてETF認可が流れる一因ともなった政府や中央銀行の後ろ盾が無い点が挙げられていたが、こうした光景を見るに改めて黎明期の紆余曲折を感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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