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今度は国債先物

本日の日経紙一面には、日銀が大規模金融緩和の一環として昨日に初めてマイナス金利で市場から短期国債を買い入れた旨が出ていた。ところで国債といえば先週末には同紙でコンピューターを通じた自動売買システムで長期国債先物を相場操縦したとして、海外の個人投資家に証券取引等監視委員会が課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した件もあった。

こんな背景には、上記の日銀による大規模緩和の一環の国債大量購入で市場取引が減ったというマーケット下地があったというが、その辺の目の付け所といい自動売買のプログラムを別の投資家のシステムを欺くように書き換えたスキルといいいなかなか優秀?な強者である。

しかし、最近では6月にあったような中堅証券の自己売買部門担当者によるTOPIX先物の相場操縦などに見られるように原資産が大物?の操作が表面化するケースが増えてきた感がある。この国債先物もそうだがマーケットが変化したのか、はたまたシステムが進化を遂げたのか今後も新手なケースが出てくるのは想像に難くないか。


温度差と需要

本日の日経紙商品面には「NY金、下落基調に」と題して、米ドル高を受けてドルの代替資産とされる金が3ヶ月ぶりの安値水準で推移している旨が書いてあった。米国の利上げ観測が根強く、金利の付かない金からの資金流出が先物等も含めて各所で見てとれる。

SPDRゴールド・シェア純資産残高も5日時点で6月下旬以来の低水準になったというが、一方でインドや中国による宝飾などの店頭需要が膨らむ可能性があるとの指摘もある。ただこの辺は今月初めに書いたように景気による温度差や、国固有の祭典シーズン等の事情も絡んで需要の相違が出てこようか。

ところでこの宝飾需要といえば本日の日経産業紙には、宝飾需要が縮小するなかで地金・金貨は資産としての側面が強いということで近年の高騰と共にこれを買い求める動きが強まり、この個人購入量が世界で伸びている旨が出ていた。斯様に宝飾をおさえる格好でこれらが個人消費の伸びを牽引する現象が今後も続くのかどうか、この辺も注視しておきたい。


6回転?の大商い

本日の日経平均は3日ぶりに小反発となったが、依然として個別物色は旺盛で最近では商品取引やFXポストも物色されてきたが、この中なんといっても直近で目立っていたのはマネーパートナーズGか。なにせ週末の出来高は全市場中で堂々のトップ、あの新日鉄の約5倍、東芝の約10倍をこなす凄まじさだ。

もともとは海外利用専用のプリペイドカードをマスターカートと提携との発表がブチ上げ初日の材料であったが、上記の通りこの日以降の出来高が凄い。初日から前日の約713倍と異様な動きを見せ、翌日はそれから更に約4倍、年初来高値を取った3日後の週末にはそれから更に約4倍と急騰前からわずか4日間で実に出来高が10,000倍に膨れた計算になる。

しかし考えてみれば同社の発行済み株式数は約3,200万株、週末に約1億9,000万の出来高を商ったということは単純にこの約6倍を回転させているということで、個人的に記憶のある限りこんな現象は見たことが無い。この活況での貸借状況の変化が今後の相場を占うことになろうか。

ところで同社といえば、ジャスダック(旧ヘラクレス)をスタート地点にし、持ち株会社体制移行を挟んで東証二部、そして東証一部指定替えと順調にコマを進めてきが、今年に入って二部から一部への昇格企業は予定も含めて42社と既に昨年1年間の実績を上回っているらしい。昇格組が増えれば自ずとリクイディティーも増すが、この辺は売買の選択肢が広がる機関投資家のメリットだけではない筈で今後一層の拡大を期待したいところ。


底打ち何時?

この時期になると大手百貨店で毎年恒例で開催されるのがワールドウォッチフェアであるが、今年の場合はイギリスの名門バックス&ストラウスが手掛けた3億8千万の値札が付く「ピカデリープリンセスロイヤルカラー」なる時計が展示されるということもあって過日三越へ観に行ってきた。

フェアでは上記の通り目玉の展示が時折あるが、例えば3年前にはカランダッシュが手掛けた「1010Diamonds」なる特別制作の1億円もする万年筆が披露された。今年は上記の時計であり、1本で世のダイヤモンドの全てのカラーとカッティングが集約されている正に芸術品であったが、やはり値段も消費税だけで3千万円超というからこちらも凄い。

ところで昨年は消費税増税前の駆け込み需要やアベノミクス効果でこのフェアはそれなりの賑わいも売上もあったようだが、心なしか今年の会場は客もマバラでブースには手持無沙汰の店員が目立った。直近で発表になった全国百貨店売上高は前年比2.5%減で4ヶ月連続のマイナスとなっていたが、そんな片鱗がこのフェアでも見て取れたような感もあった。


物言えるようになるか

さて昨日の日経紙には、ガリバー日本生命をはじめ明治安田生命、住友生命、そして唯一上場している第一生命といった国内大手の生命保険会社や、東京海上日動火災保険などの損害保険会社が、投資先企業の株主総会で議決権を行使する際の方針が1日までに出揃った旨が載っていた。

この辺に関しては先に第一生命が、大手生保ではじめて投資先上場企業の議案にどう賛否を投じたかを公表することを決めている。これまで生保は役員選任等の議案に賛成するか否認するかの内部基準こそあったものの、議案賛否数等の公表は殆どなかったという点では少し流れに変化を感じる。

こんな背景には当欄でも6月に触れた「日本版スチュワードシップコード」の存在があるのは明白でこの行動指針が今後物言う株主の増殖に繋がるか否かだが、上記損保などその保有株式は取引関係のある企業が多く純粋な投資家としての経営改善を働きかけにくい面があるという。生保とてまだ初動といった感じで、投資顧問並みに何所まで近づけるか今後も注目しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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