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注目される帰趨

過日たまたまユニクロの大店の前を通ったのだが、相変わらずの賑わいを見せていた。そういえばココはといえば昨日の日経紙・日曜に考えるに、「99価格」求めたユニクロと題しカジュアル衣料の同店が値上げした旨を取り上げた記事も載っていたなと。

周知の通り同社は先に今年の秋冬物から順次5%の値上げを実施してゆくというが、同じような「デフレ勝ち組」に君臨した日本マクドナルドHDなどもアベノミクス以降ここ近年は売上増を図りながらも浸透が難しく右往左往しているところも少なくなく、株価など先行きを読んで各々がおもいおもいの動きをしている。

このユニクロことファーストリテイリング株はこの値上げ発表直後には下落したものの、先週末までに往って来いの戻りとなっている。高寄与度の裁定銘柄だけにファンダメンタルズが如何ほど作用しているか疑問符も付くが、上記のマックなど売上減継続の依然厳しい環境下のなかジワジワ上げ続け、このユニクロが値上げ発表した10日には年初来高値更新となっている。

長引くデフレ下で他を寄せ付けぬ圧倒的な低価格構造を構築し勝ち組として勝負してきたこれら所謂デフレビジネスであったが、従前のそういった形態から今度は値上げの浸透と同時に売り上げもキープし続けてゆくというインフレ型の構築へ転換を図れるかどうか、ユニクロだけでなく上記のマック含めたかつてのデフレ象徴の手腕が問われる。


リアルなゲーム

さて昨日も冒頭で一寸触れたが、今週の株式市場で一際にぎわっていたのはやはりミクシィか。ストップ高となった17日の売買代金は、東証一部高寄与度銘柄にランクインするあのソフトバンクを抜き実に全市場でトップ、また時価総額もマザーズではトップに躍り出る事となった。

ゲーム株の狂乱相場といえばやはり記憶に残るのがガンホーだったが、ガンホーのパズドラを買ったときは息の長い上昇相場となっただけに、今回のミクシィも次の牽引役云々とか各種指標から株価を語るのは野暮とモンストを素直に買う息の長い相場展開が期待されているようだ。

そんなワケで株式市場の旬なテーマになっているロボット関連の終焉後をはや予測したような賑わいになっているが、貸借銘柄だったらどんな取り組みになっているのか想像しながら戦略を練るのも面白いものの、いずれにせよ分割を絡めたお祭りが何所まで続くのか参加組も見物組もまだまだ目が離せない展開である。


植物由来

本日も株式市場ではミクシィの続騰が一際目立っていたが、個別ではこれとほぼ同等のペースで急騰してきているものに日本新薬がある。周知の通りこれは同社のセレキシパグが肺動脈性肺高血圧症を対象としたフェーズ3で有効性の主要評価項目を達成した事が刺激材料となったもので、発表後のストップ高を号砲に更に上昇が加速している。

製品の夢を買うのが製薬株の醍醐味というところだが、製薬会社といえば先週末の日経紙にはゼリア新薬工業が「西洋ハーブ」を取り入れた一般用医薬品をシリーズで打ち出す旨が載っていた。ハーブといえば漢方の所謂西洋版ということになるのだろうが、近年こうした植物由来の取り込みが顕著だ。

確かに漢方の類は個人の所謂証に合えば化学薬で改善しなかったものがたちどころに快癒することもあり、保険適用の範囲もそこそこ幅が出てきた。そんな事もあってか同紙によれば漢方大手のツムラの売上高は13年度までの5年間で2割伸びた旨が出ていたが、主流のエキス系だけでなく生薬系もこの範囲が広がることが今後期待されるところである。


短期?循環

さて、コモディティーの世界ではこの間まで主要生産国の南アフリカが鉱山デモやスト等で混乱し供給不安を背景にPGM系メタルが高騰していたが、会社側と組合側が原則的に合意との報からここ沈静化している。そんななかで、それと対照的にここ上昇してきているのは金や原油か。

OPEC2位の生産量のあるイラクで政府軍と過激派武装組織との武力衝突が本格化しているのが背景にあり、これに反応した金価格は前週後半から昨日まで約20ドル上昇し約3週間ぶりの高値水準となり、また原油もWTI、北海ブレント共に9か月ぶりの高値水準まできている旨が本日の日経紙にも載っていた。

このところボラが薄かっただけに投機家にとっては昨今の混乱や地政学リスクもまた好機到来であっただろうが、何れに翻弄されているのだろうか?各々のシーンで実際のところ誰が絵を描いているかは後にならねば解らぬところではあるが、これがあるからまた思惑も募る。


巨体操作?

先週末に入ってきたニュースに、中堅証券であるむさし証券の自己売買部門運用担当者がTOPIX先物で相場操縦していた疑いがあり、証券取引等監視委員会が担当者を行政処分するよう金融庁に勧告する旨があった。日経紙夕刊でもこれが一面に取り上げられておりなかなか目立っていた。

この相場操縦、昨年の7月と9月で大きく2回に分けそれぞれ成立させる意思のない買い注文を大量に出し、上昇前に仕込んだ先物を売って不正に利益を得たという所謂「見せ玉」行為ということで、課徴金はこの不正利益とほぼ同額の543万円とか。

しかし個別銘柄ならまだしも、こんな巨体の株価指数を相手に失礼ながらこんな中小クラスの個人ディーラーが裁定機能を退けてまで操作出来たのだろうか?大物の操作といえばLIBORや先に書いた金相場を不正操作した一件があったがこれは英金融大手バークレイズの話である。

この手での不正摘発は初めてとのことであったが、上記のようなワケで私も個人レベルでのこんな巨体の相場操縦など聞いたことがない。ある種の権力を持つ外資か大手のアルゴでも邪魔して逆鱗に触れたのかと下種な勘繰りもしたくなるが、突然降って湧いたような1年近くも前の話に一寸違和感を覚える。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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