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共存市場

本日の日経紙商品面には「投資家の戦略分かれる」と題して、原油市場にヘッジファンドなど投資マネーが流入し価格の振れ幅が大きく売買高が急増する一方で、年金基金など長期保有を基本とする機関投資家等は様子見を決め込むなど手控えムードで各投資家の戦略が分かれている旨が出ていた。

これまでも原油に絡んでは何度か書いてきておりETFや最近ではETN等まで品数が揃っている割にはけっこうコンサバなスタンスを貫いている向きもあるなと改めて思ったりしたが、やはりリクイディティー面など他の投資対象と同一視出来ない部分も控えているのだろう。

ところで同じ紙面にはブラジル通貨安の影響で今月に砂糖の国際相場が5年ぶりの安値を
付けた旨や、米雇用統計の結果からFRBによる利上げが近づいたとの観測で金が3ヶ月ぶりの安値に沈んだ旨も書いてありCTA系にとっては依然好機が続くか。市場が発展すれば時に受け皿など相互に補完関係になれるだけにこの辺が待ち望まれる。


古手と新手

本日の日経平均は3日ぶりに急反落となったが、そんな中で全市場値上がりトップとなったのは三光合成がTOBを実施と発表した積水工機製作所であった。ところでこのTOBといえば先週には豊田通商によるトーメンエレクトロニクスのTOBを巡るインサイダー取引で会社員が東京地検特捜部に逮捕された報道もあった。

数あるインサイダーのネタでもTOBは企業破たんと共に旨みのある確実性の高いものからその人気?は衰えないが、素人はその買付処理の甘さゆえ今回のように見つかってしまう例が依然として多い。他に金融商品取引法違反といえばもう一つ、カリブ海の島にある投資会社もPTSを使っての不正売り抜けで数千万円の不正利益を得ていたとして課徴金納付命令の勧告が先週に出ている。

PTSといえばこれまでもマザーの狭間に売買が可能なことで投資顧問や株式専門紙の推奨情報に反応して値を飛ばす事があったが、そうでなくとも板が薄いだけに時として突飛な値動きが頻繁に起こり得る事が多く何時かはこんな新手な金商法違反が出てくるのは予想していたが果たしてという感じ。

とはいえ今回の件でも90銘柄近くの銘柄を食い散らかした挙句に数千万円を得ても、その課徴金は数万円程度とヤリ得感満載。個人の方はそこそこなお灸を据えられたにしてもまだまだ新手なネタは控えており、イタチごっこはこれからともいえるかもしれない。


家具屋姫

さて、今週の株式市場は高値警戒感が燻る一方で下値も堅いといえるが、こんな手詰まりで低位が乱舞する中やはり連日市場の注目を集めているのはジャスダックの大塚家具だろうか。先週26日から始まったストップ高の勢いは週明けも止まらず上限いっぱいのまま大引け、翌日のひな祭りの日にも更に連続ストップ高に迫るも一転急落と乱高下が続いている。

この背景には周知の通り内紛に端を発した今月下旬の株主総会に向けたプロキシーファイトの思惑台頭があるワケだが、これに加えて内輪揉めに付き物の停止規制を見越したカラ売りが急速に入り先週末には久し振りに見る逆日歩34円という近年に無い取組が形成された事も一役買っており、まさに鉄火場となっていた。

それにしてもこの一連の騒動で会長の株式資産もたった一週間で48億円増と倍化したと思えば、一日でそれが28億円も目減りしたりの乱高下であるからやはり創業者は凄い。長女の社長もこんな状況下いきなり配当倍増を発表、上記含めた諸々の株高はプロキシーファイトにも各方面で影響を及ぼす訳で、ほか浮動票への根回しも既に周到とも思えるが勝手に勘繰るになかなかしたたかともいえる。

株価と共に二人の記者会見など高見の見物的にはなかなか夫々の世代が反映されたものであって面白かったが、さて軍配は何方に上がるかのか?株主総会を前にまだまだ株価と共に目が離せない展開で要注目である。


戻り続くか

昨日の日経紙総合面には「原油価格、底入れの兆し」と題してロンドンの北海ブレントが先導する形でアジアの指標であるドバイ原油が上昇している旨が書かれていた。ここ1年の間に原油価格はその水準が半分以下にまで暴落し、今月上旬には思惑交錯でファンド等の参戦から国際市場の取引規模が昨年末比で約2割増えている旨が報じられていたが再度中東リスク等も出てきている。

日本の原油輸入価格も反転しガソリン店頭価格も2週連続で上昇というが、確かに過日ガソリンを入れた際には久し振りにみる価格に随分と安くなったなと実感したものだ。金融商品も上旬にはこの機に乗じ関連商品に資金流入している旨を書いたが、依然ETF系の人気は衰えず個人投資家以外にも陸運会社が燃料費ヘッジにETFを使いたいとの問い合わせも証券会社にきているという。

こういった向きは併せて東商取の先物という選択肢は無いのかどうかも気になるが、それは兎も角もまだまだ相場は思惑含み。米シティーグループなど、市場の供給過剰と在庫も貯蔵能力いっぱいまで積み上がる可能性が高い事で第2四半期が始まる迄に20ドルのレンジになると更にここから半分になる予想まで出しているが、さてシティーの杞憂に終わるのかどうか引き続き注視しておきたい。


値上げラッシュ第二波

弥生月になってすぐ本日はもう桃の節句であるが、数年前にも書いたように近年では人形を飾らない向きが軽く半数を超えているのが恒常化している模様。とはいえ毎年この時期になるとリヤドロ等の商品案内が必ず舞い込み、街の小洒落た店の特設コーナーには所謂自分用にと芸術的な品が鎮座する光景など目にする機会が多くなる。

ところでこのリヤドロといえば今年1月から日本代理店価格が値上がりしている。この辺を扱っている向きを一寸調べてみたらこれに少し遅れ来月からはクリスタルの巨匠といわれるバカラ、ハンガリーのヘレンドからアメリカのレノックスまでも、日本代理店価格が値上がりする予定となっている。

そういえば驚いたのがアールデコ期を代表するフランスのラリックだ。一昨年に以前より欲しかった花瓶を購入したのだが、それから1年もしないうちにその価格はいきなり50%もの値上げになっていた。

高級ブランドなど円安に株価上昇傾向が明確化し何れ値上げ必至と一頃駆け込み購入現象が起こったものだったが、ヴィトンなどの段階的値上げは止まらず、宝飾系では先月のハリー・ウィンストン、今月はダミアーニやブシュロンの値上げも予定されている。一見便乗をも超えたヤリ過ぎとも思える値上げ攻勢との意見もあるが、強気一貫を通せるところはやはり圧倒的に不変な購買層を抱えているところ。ステージは違うがディズニーリゾートもそのパターンだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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