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俄かに動意

本日の日経紙商品面には「パラジウム、一段と上昇」として昨日の東京商品取引所で1グラム2,627円まで上昇し12年11か月ぶりの高値を付けた旨が載っていた。場中ではCBまで発動され、取引一時中断とこの銘柄にしては久しぶりの賑わいといったところ。

世界最大の生産国がロシアで、昨今のウクライナ情勢混迷の継続でパラジウム生産への影響が懸念され、加えて南でも鉱山ストライキの長期化が解消されるメドが立たないあたりが主因となっている模様だが、教科書的に構えた有事の金というよりプラチナ同様先ずは直のものという感じか。

南アといえば、ヨハネスブルク証券取引所で新たにランド建てパラジウムのETFの取引が始まることも明らかになった事もまた影響しているという。国内では三菱信託の純パラETFもこんな事情でジワジワ年初来高値更新してきているが、ETFSなど本日は出来申さずなどモノによってまだリクイディティーの課題が残る。


大阪取引所

週末には1949年から65年にわたって運営してきた「大証」が最後の取引を迎え、連休明けの本日から東証との両取引所におけるデリバティブ市場を大阪に集約し新たに「大阪取引所」としてスタートする運びになった。

この集約といえば前回は東証への現物株の集約であったが、今回は大阪へデリバティブとこれで役割分担が明確化する。これに伴う集約商品としてはTOPIX先物・オプションや日本国債先物ほかVI先物といったところだが現物株ほどすべての投資家に馴染があるというわけではないのであまり話題になっていない感もある。

とりわけTOPIXはこうした分野では225よりマイナーな存在で各社扱いもまたそうであったが、今後扱いも標準化してくれば例えばNT倍率などに着目したサヤ取りなど利便性が向上するであろうし、ETFなどと絡めれば更に選択肢も広がろうというもの。

ともあれこれで統合作業としては最終段階ということになるが、今後はコモディティーや先に触れたように為替等の多様化へコマを進めるかどうかが焦点となってくるか。


テコ入れ

さて昨日の日経紙商品面には「東商取、石油市場テコ入れ」として、石油市場を対象に原油や石油製品など商品間のサヤ取り取引を24日から始める旨が載っていた。商品や限月を組み合わせることで42種類の売買が可能で、「スタンダード・コンビネーション注文」なる名称という。

この所謂クラックスプレッド取引は既に原油上場以降から盛んにされていた取引で、新取引といってもいまさら感がけっこう強いが、株式やFXにアレルギーの強い向きでもこれはお家芸とばかりに当業勢や石油大手の社員のなかには口座を開設しせっせとこの取引に精を出しそれなりの小遣いを稼いできた向きも多い。

ただピークだった頃に比べれば昨今のリクイディティー低下が顕著になっていると感じるのは何もディーラー勢に限った事ではなく、建ちも外しも限月によっては一苦労を感じる部分や、SPAN証拠金の如く保有ポジション状況からから想定されるリスクを勘案して証拠金相殺される部分など新取引も商機ありか。

当面は法人向けということだが、この東商取は原油先物においてもUAEのDME(ドバイ・マーカンタイル取引所)と連携し、商社や金融機関など両方の取引所で取引すれば手数料を割り引く制度や残高移管できる制度の創設を表明するなど先ずは主力層への働きかけが積極化しつつある。


今年はギリギリ

本日は関東地方で春一番が吹いた。ご存じ立春から春分までの間に吹く強い南風を所謂春一番としているが、昨年は1日に観測されていただけに今年は一昨年のように観測されないのかとの予測も一部にあったが、あと数日を残すところでギリギリの春一番であった。

この春一番、感覚的にはだいたいバレンタインデー前後に吹くことが多いという憶えで、ここ最近同じような強風の日が多く何度かこれかなと思ったことが度々あったが、バレンンタインどころか今年は更にホワイトデーをも過ぎて昨年より17日も遅い登場となった。

こんな発表で四季の節目を感じるところだが、近年は異常気象が各所で見られその影響からか彼方此方で季節感のない光景を目にする機会がぐんと増えてきた。これにより毎年各種仕入れの目論みが大きく狂う場面も併せて増えているが、天候デリバティブなどその重要性が高まると同時にまた商機でもあるだろう。


時価総額と誘致力

週明けの本日も4日続落と引き続き軟調ムードの株式市場であったが、そんな中でも朝方から一際気を吐いていたのはソフトバンクだった。既に報じられている通り、出資している中国のネット通販最大手アリババが米国でのIPO手続きを開始したとの報が3兆円超ともいわれる含み益の思惑を誘った格好である。

このアリババ、当初香港での上場を準備していたが所謂パートナー制に取引所側のケチがつき矛先を今回米国に変えた経緯がある。この辺は香港と違って米市場ではこんな議決権に差のある種類株を持つ企業が幾つも上場しており、同社を巡る争奪戦が激しくなっていた旨が日経紙にも載っていた。

取引所の争奪戦といえばちょうど本日の日経紙特集では「マネー争奪 NY証取が独走」として、時価総額が東京証券取引所の4倍もある最も大きなニューヨーク証取が一際目立つ図も出ていた。しかしこうして並べて見てみると、それぞれこの数年の間に統合・身売り・買収が進みまた合併や敵対的買収を試みるも司法やら国の壁から断念したパターンがそれぞれ記憶に新しい。水面下の動きと併せ今後も折に触れ再編劇は表面化するだろが、さて次は何処の名が挙がるだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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