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やはりなという感じ

さて、徐々に真相が明らかになりザワザワとしてきているが、周知の通り先週あたりから診療報酬請求権を買い取って回収する事業で運用というフレ込みの米MRIインターナショナルなる金融業者が、日本の顧客から集めた資金のほとんどを消失させていた事が明らかにされている。

ほぼ1年前にはAIJ投資顧問が運用受託していた資金のほとんどを消失していたのが明らかになり問題化した経緯があったが、やはりというかまたかという感じである。まあ個人の食い付きという部分ではその前の安愚楽牧場の方がより近いかもしれないが、これまたこの安愚楽牧場同様に一頃は頻繁にネット上で広告を出していた経緯があった。

ここまで資金を捻出させるのに成功?したのはやはりその「怪しさを感じさせない或る程度の継続性」にあるだろうか。通常詐欺の類は闇風俗などと同様に短期でパッと稼いでバンザイしてしまうか名義替えして同様のことを繰り返すかが常套手段だが、さも正常に機能しているかの如くアンテナショップやツアー、そしてお約束の有名人広告等を絡めて数年に亘って手懐けているだけに、勘違いした口コミ等も加わり更に被害者を増殖させるに至っている。

まあ安愚楽はローカルとはいえ国内であったが、金融リテラシーの覚束無い向きはとりわけ外国モノなど緊急時に自分で最低限意思疎通が図れる語学力がある向き以外は甘い香り満載だろうが釣られないことである。そういえば余談だが、上記のAIJ投資顧問に運用を委託していた基金のうち「全国商品取引業厚生年金基金」が初の解散となった模様だが、こちらもなんともヤレヤレといったところである。


IPO熱再び

本日は日経平均こそ小幅続落であったが主力がけっこう崩れた分、体感としてはこの下げ幅以上のような感であった。とはいえ連休谷間ということで株式市場の方は軽めの新興市場が活況、先週末に公開価格の約4倍にもなる初値を付けたマザーズに新規上場のオークファンは本日もストップ高の離れ業をやってのけているが、この手では同じマザーズのメドレックスなども終日ストップ高買い気配で推移する有様であった。

斯様に昨今の相場環境の改善を背景に幅広い層の買い意欲が旺盛で、今年1発目のIPOとなった上記のメドレックスなど以前書いたあのJPモルガンアセットの「ザ・ジャパン」絡みでも名前が挙がる始末だが、こうしたオークファンやメドレックス等のIPO関係は昨年末以降では18社連続で初値が公開価格を上回っている。

こうしたことに加えて、一頃は品薄の公募がプラチナチケット扱いで初値がイグジットになりあとはあまり旨味が残っていないのが普通であったが、昨今はチケット入手出来なかった向きでも初値から楽しめる物も多くなり新たなファンを増やしている。

今年の2月に「今年は何社」としてIPOを取り上げたが、IPOインデックスの盛り上がりからスパイラル現象が更に加速する可能性もあり、このGW明けからのIPOも含めてどこまでこの流れが続くのか投資家動向と併せ注目したいところ。


JPXの44年ぶり新指数

さて、JPX(日本取引所グループ)は予てよりTOPIX(東証株価指数)と並ぶ株価指数を年内にも新設と先に報じていたが、本日この辺に関してROE、つまり自己資本利益率だが投下資本に対してどれだけの利益を生み出すかという効率化を目安に上位数百社の銘柄選択をし、その時価総額の増減幅を指数化する方針であることが明らかになっている。

いうまでもなくTOPIXといえばあらゆるもののベンチマーク的存在になっているが、成長企業の株価の動きはなかなかカバーし切れていなく、これらの時価総額変動を指数化するところでこの辺がカバー出来るといい、この手は世界の主要市場でも初めてらしい。

単に新指数登場というだけで片付ける向きもあろうが、今このROEに着目したのはけっこう意味があると思う。というのもこれまでだいだい海外企業のそれが20%前後であるのに対し、日本企業のそれは5%前後と突出している低さが長年に亘って言われてきた経緯があり、これが日本企業の文化とまで指摘する向きもあった。

ところが直近のゴールドマンサックスによる日経平均株価予測上方修正の理由の一つにはこのROE上昇が盛り込んであり、また今迄日銀のETFやらREITやらの直接介入を引き合いにこうした方面への目配り要請も出ていたものだが、先ずはその辺への布石なのかどうか当企業群の株価動向と併せ今後の展開に注目しておこう。


子供に勝機

本日の日経紙マネー&インベストメントには「教育費贈与 信託の活用法」として孫の教育資金として、まとまったお金を非課税で一括贈与できる制度が今月から始まった旨が書いてあったが、株式市場でバイオ等と共にここ安定的に物色の柱になっているモノがまさにこんな「子供関連」である。

こんな教育資金をはや先取りして本日も幼児活動研究所などは年初来高値を更新、週明けから2日連続のストップ高のあと本日も続急騰であわやストップ高3連続かというところまであった。他にも日経まちかどにもあったように、サクセスHD等も1週間で6割の上昇と破竹の勢いである。

新興市場のモノほど面白いように値が飛ぶので1週間で倍化する銘柄などはザラであるが、アベノミクスの波に乗りヤリタイ放題である。株の方はそれとして、早速信託銀等はこれに即した商品開発に余念が無く、丁度大手によるISA制度向けの商品開発さながらの光景でもあるが、大手ほどの懐を持たないところはアイデア勝負となってきそうである。


円安で乗れず?

先週あたりから週明けには1ドル100円大台が見られるとの呼び声も高かったものの、果たしてここ数日はこの大台を前に足踏みと焦らせるような動きを見せている円相場だが、企業群でははやこの辺が好感されて為替感応度が高いものから循環物色され年初来高値をかわるがわる更新という流れになっている。

自動車なんぞはこの流れだが、こんな「陸」モノとは対で「空」の方はなかなか冴えない動きが続いている。双璧のJALやANAも配当目当てで賑わって以降は年初来高値更新がお預けになった格好になっているが、当然ながらこちらは逆に円安が懸念されるというパターンである。

JALの再生に関してANAとは確執が継続され未解決な部分も道半ばであるが、両者共にこんな為替だけでなく足元では鳥インフルなどそうそう無視出来ない問題も出てきており、何処でアベノミクスの恩恵にあずかることが出来るのか株主ならずとも気になるところではある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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