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食料への回帰

さて、ドラッグストアで整然と並べられたスナック菓子を見てちょうど1週間ほど前に、カルビーのトウモロコシスナック菓子にパッケージに表示のない落花生を含む成分が混入していたとして自主回収する旨の報道があったのを思い出した。たしか昨年の今頃もココはガラス片が混入していたとかで回収騒ぎがあったと思うが改めて管理体制が問われそうだ。

さてそれは兎も角としてトウモロコシといえば、米国ではトウモロコシで作る燃料用エタノールの使用義務量の削減案を発表している。シェールオイル増産で米石油輸入依存率が大幅に低下、依存率低減を目指したガソリン混合用エタノール増産の必要性も薄れ、また車の燃費も近年著しい向上を見せていることにも起因する。

正式に決定となれば需要減としては日本の年間輸入量近くになるというから可也のもの。また併せて健康に悪影響を及ぼすと判断した一部大豆油の使用禁止も検討しているといい、この政策で近年の供給懸念を囃していた構図が一気に沈静化する可能性も出てきた。これで漸く食料への位置付けに回帰するかどうか暫く動向を注視しておきたい。


オーバーイシューか否か

先週末の日経紙には「社債発行1日で3,250億円」として、国内市場での社債発行が活況で6日には1日としては異例の22本、3,250億円の発行条件が決まった旨が載っていた。斯様な足元の増資ラッシュもあって直近3ヶ月では総発行済株式数が年率17%増、先月末の東証一部の企業のそれは過去最高水準という。

一昔前に株高を背景にしたファイナンスラッシュとなったのが思い出されるような光景だが、確かに今は地合いがいいのでホルダー以外はあまり気付かないものの時折急落しているようなものはだいたいがこのファイナンスものである。

もっとも最近は高島屋や凸版印刷のようなCB型やら、本日の日経紙財務面で出ていたハナテンのように保有する金庫株を使った新株予約券ファイナンスなど株式数を増加させないように配慮した調達方法を取る企業もありこの辺は一寸環境が変わってきているが、有効活用出来るかどうかという部分が先行きの株価を左右する点は変わりがない。


無形文化遺産【和食】

先週末はミシュランガイドについて触れたが、このミシュランのアジア初の試みとなった「ミシュランガイド東京2008」ではトップ評価の三ツ星として8店が取り上げられたがこのうち5店が和食であったのを思い出す。この「和食」だが、先週はユネスコが政府間委員会を開き日本政府が推薦した「和食」を無形文化遺産意登録することを決めている。

「和食」に関しては当欄で今年1月「食文化カオス時代」として末尾に、「日本の食といえば日本食やその関連グッズ等世界でブームになりつつあり、直近では名店料理人らが次世代に文化継承するために「学会」も発足されている。」と書いたことがあったが、昨年末JETROが7カ国地域の消費者に実施したアンケートでは好きな外国料理の1位に輝いたのが日本食で、また農水省統計で2006年に世界で約24,000店だった日本食レストランは今年3月に約55,000店に倍増している。

世の機運ともいえるが、一頃の海外の和食レストランといえばヴィジュアル的には笑えるものの見ていて悲しくなるようなフェイクが乱立していたものだったが、あのジョエル・ロブション氏も和食料理店を手掛け始め、また先のガイアの夜明けでも「本物の日本食を世界へ」と題して銀座小十がフランスに店を構える様が放映され啓蒙の動きも顕著である。

ともあれこれで日本からの登録は能楽や歌舞伎などに続いて22件目、この登録でこれら再評価が進むのは想像に難くないがこれを機に伝統を守るという約束を改めて各所が考えてゆくということが大切だろうか。


ガイドの方向性

さて、今年も恒例で明日は日本ミシュランタイヤからレストランを星の数で格付けしている「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2014」が発売になる。これに先駆けて掲載店が発表されていたが、今回星を得たのは計281店でうち2つ星が59店、1つ星が208店となり前年よりは全体数が減る中を2つ星に3店、1つ星に15店がそれぞれ登場した模様。

ここへきて芋づる式に出ている食の偽装事件だが、どの程度偽装発覚のところが掲載されているかというところも気になったものの、「ホテル」部門では食材偽装が発覚したホテル椿山荘東京が前回に続き最高ランクに格付け、他も帝国ホテル、ホテルグランヴィア京都、ウェスティン都ホテルがランクイン。

この部門に関してはあくまで快適度で料理は対象外ということらしく同社の社長は食偽装表示は日本以外ではみられない問題としこの問題をしっかり研究したいとの弁だそうだが、レストランでもココが過去2つ星を与え今は消えて無くなったトゥエンティ・ワンなど食偽装のハシリであったなと思い出す。

ところで今回から星付き店とは別に「ビブグルマン」なる低価格で食事ができる店の掲載も始めたようだが、どうも近年迷走しているような感も。価格に拘らないといえばこの辺は既に5年前の当欄で「ザガット等の方が〜」とした通りだが、ブランド化したものが引くのは難しい。


かぶオプ

本日の日経平均は先物主導で急反落、こんな日は先物やまたオプション市場もアウトもののプットなどがあっという間に倍化するなどにわかに大活況となっているが、オプションといえば先週末の日経紙チャート&データには東証の個別株オプションも活況になっている旨が出ていた。

同紙によればコールのみならずプットも売買も膨らんでおり、直近の先月末迄は1日あたりの平均売買高が8,500枚弱と2011年1月以来の高水準になっているという。登場してはや10年以上にもなるが先物オプションが軌道に乗ったそれとは随分とまだ差があった認識であったが、水面下では徐々にというところか。

啓蒙は其れなりにあると思うが、例えばネットでも同取引をマル信などと並べて提供している会社がまだ少数派でやはり要は売買できる環境如何であると思える。それでもこうして変化の片鱗が感じられるのはいいことだが、コモディティーオプション等も同様のスタートラインと捉え復活させる動きが出てくるのを期待したいところだが。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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