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バイプロも品薄

本日の日経紙科学技術面にはヘリウムの供給不足を受けて、東大発ベンチャーが極低温の実験装置向けに液体ヘリウムを循環して再利用する装置を開発し近く販売する旨が載っていた。これは昨年あたりからいわれ出したヘリウム不足から、国内の研究機関等が対応を急いだものの一つである。

この辺の詳細は興味が無くとも、TDL等ディズニーリゾートの施設でエントランス入ってすぐの光景で定番になっていた無数のバルーンが気が付けば消えていた光景を目にした向きは多いのではないか?可燃性など安全面から安易に水素など代替出来ないところからとばっちりを受けた格好になった訳だが、医療用途などプライオリティーを考えるにレジャー分野の一時中断もやむなしといったところか。

ちょうど時期的にクリスマスやら年末年始イベントやら、通常であれば出番の多い時期にこうした問題の表面化が直撃したタイミングの悪さだが、レアメタルよろしく一極集中という調達先の分散が課題で、上場企業のなかには権益取得等に奔走している向きもあるが上記のようなベンチャーと併せこの手の日本経済の弱点を見直す機会にあるのかもしれない。


円安様様

週明けの本日も円安地合いが好感されて日経平均は堅調、これで5日続伸となった。先週で実に54年ぶりの12週連続高を達成しているが売買高もまた様変わりで、東証一部のそれは前週末から約2割も増加し44億株以上の商いをこなしこれは水準的には約2年ぶりの高水準となった。

さて、円安で活況なのは何も株式に限った事だけでなくコモディティーもまた然り。株式が12週連続高なら日経商品指数17種も週末値としてこれまた12週連続で上昇、日経・東工取商品指数は本日あたり最低であった昨年6月の頃から4割近く上昇し約4年半ぶりの高水準となっている。

斯様に東証が上記の通りの大商いなら、東工取も1月の売買高は1年4ヶ月ぶりの高水準。本日は主力の金が上場来初めて5,000円の大台乗せを達成し更なる流動性の喚起に期待がかかるというところだが、少し離れて物をドル建て上昇率等で見てみるとまた違った解釈もでき、この辺をどう捉えるかでイグジットも各々変わってくるのではないか。


鑑賞初め

さて一昨日の日経「旬の人時の人」では同紙連載小説「等伯」で直木賞を受賞した作家が載っていたが、この安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍し数々の傑作を残した長谷川等伯と双璧と称される巨匠に円山応挙が居るが、同氏の屏風が見られるのもあとわずかということで過日は三井記念美術館の「ゆくとしくるとし」を観に行ってきた。

応挙といえば「孔雀図」などどことなく伊藤若冲のタッチに似ており以前より興味があったのだが、やはり国宝にもなっている「雪松図屏風」の実物は圧巻、展示替えで昨年までの「雲龍図」は見ることができなかったものの、これをも凌ぐその荘厳さはやはり実際に観てみないとわかるものではない。

もともとパトロンが三井家だったということもあり同館で展示されるのは自然であったが、今回は併せて茶道具の展示が有り、昨年の「正午の茶事」に続き今回は冬季ということで長い夜を楽しむ「夜咄しの茶事」をテーマにしていただけあって趣のある行燈など初めて見る物が多数有り、昨年観た重要文化財である俊寛の「黒楽茶碗」もまた観ることができ毎度ながら構成の素晴らしさを堪能した次第であった。


奇策あれこれ

昨日の日経紙には金や原油等TOCOM上場商品の値動きを示す日経・東工取商品指数が一段と上昇紙週明けの清算値は351.05と前週末比で1.63上がり4年4ヶ月ぶりに350台を回復した旨が出ていたが、やはり世界景気の底入れ観測で昨年末から16%上昇している白金などの影響も大きい模様だ。

ところでこの白金といえば今月上旬には米連邦政府が政府債務上限引き上げを巡って与野党協議が難航するなか、米財務省が額面1兆ドルのプラチナ記念硬貨を発行し、FRBに預託する代わりに得た1兆ドルを政府歳出に充てるという予算水増しの奇策が浮上した一幕があった。

紙幣発行はFRBだが、記念硬貨発行等は財務省が有しており例外に当たるプラチナに着目しただけの単なる抜け穴なのだが、この手の発行モノといえば本邦でも巷の一部には、現在アベノミクス酣で大幅な金融緩和を進めるなか消費マインドを刺激するための秘策として高額紙幣の発行説が流れている。こちらは紙幣発行権限が財務省に有りというところで、これまた奇策の範疇に入るのかどうか色々出て来るこの手は奇異荒唐でもあるがその背景を鑑みるに冗談ともいえない部分もある。


食文化カオス時代

さてランチタイム時に知人と話していて自ずと食の話になったのだが、やはり今は低価格飲食店の話題が囂しい。ちょうど先週末の日経MJには話題の「俺の〜」シリーズの飲食店が近々店舗数を現在の約3倍に増やし本格的な料理人が調理する料理を売り物に集客力を高める旨が載っていたし、この辺はTVでもまた先週の「ガイヤの夜明け」で放映されていた。

新業態も加え、「俺のイタリアン」はミラノ、「俺のフレンチ」はパリとお家芸の本拠地へと進出も狙うというが、今や一部上場にまで昇格した「ひらまつ」に見られるように日本人勢はミシュランで次々と星を獲得しているだけにこうした部分とは別な意味で活躍する事になるのかどうか非常に興味深いところである。

また放映ではこの春にも割烹というジャンルにも進出する旨もあったが、やはり板長は他店同様に一流料亭からの引き抜き組、原価率と回転率で勝負という分野でもここまでの形態は今までなかっただけに見ものだ。日本の食といえば日本食やその関連グッズ等世界でブームになりつつあり、直近では名店料理人らが次代に文化継承する為に「学会」も発足されている。其々のジャンルで其々の方向性、食文化も宛らカオスのようになってきた昨今である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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