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デフレ下の盟主

先週末の日経紙ニュースクールでは「牛丼どうして値下げ?」として、輸入規制の緩和を背景に大手が従来価格から値下げし新価格を設定した旨の関連が載っていた。この辺は報道機関によって値下げ背景の捉え方が様々で各社のカラーが出ていて面白いが、同業他社の対応もまた注目される。

さて牛丼値下げといえば、当欄で初めにこの辺に触れたのが2009年くらいであるからもうかれこれ4年もの間この値下げ政策が繰り広げられているということになるが、デフレ期を通って来たファスト系ではこの牛丼系が消耗戦の様相を呈した一方でマックなどが同様の低価格等を武器に躍進した経緯がある。

直近ではこのマックの試行錯誤がいろいろと話題を提供しているなか失速感が拭えないが、果たしてこれで上記以前の状態まで体力回復が出来るのかどうか、円安も気になるところだがこの辺もまた見ものとなってくる。何れににせよ、この業界だけはデフレ脱却の機運とは無縁なようだ。


久し振りの暴れん坊

本日の日経平均は大幅続伸して高値引けとなったが、今週も日経平均はほぼ続騰で破竹の勢いとなっている。アベノミクスの恩恵に肖ろうと腕に覚えのある投資家は既に昨年から動いているが、彼らを横目で見ながらどう動いたらよいか皆目見当のつかない初心者は投信等という事になるが、この投信といえば話題になっているのがモルガンの「ザ・ジャパン」か。

人気が人気を呼び信託金上限の1,000億円に達した事から先月に新規募集を一旦停止したものの、今月から上限2,000億円に倍増して新規募集を再開。ところがそれも束の間、早くも上限到達予想との事で1週間そこそこでまたまた募集再停止となっている。

それもこれも通常の投信ではなかなか見た事も無い様な基準価格の甘い香りが蔓延しているからに他ならないのだが、その中身が色々な意味で凄い。申し訳程度に優等生的な銘柄も入っているが、多くの銘柄が既に種が吸い上がった一寸前なら堂々の仕手株扱いとなったモノばかり。さすがにこのメンツを見るに基準価格も仕手化しているのにも納得がいく。

こんな物の登場で思い出したのだが、一昔前にはあの山一証券の辣腕勢が絡んでいた新興市場の特定銘柄に絡めた物凄いパフォーマンスの私募ファンド等もあった。2度も瞬く間に募集停止となった上記投信でさえ遥かこのパフォーマンスに及ばないものの、デフレ慣れした向きがバブルと勘違いするほどの昨今の狂宴の中に紛れてこんな物が登場してくるのもそれはそれで新ステージならではの光景と言えよう。


行列再び

来週初めの値洗い処理で先物・オプション関係はSPAN証拠金額が引き上げになる予定となっているが、先物といえば商品先物もここ最近の急上昇を鑑みこの日まで金とゴムに臨増しが掛かることになっている。

その金相場は本日も現物・先物ともに続伸となっており数十年ぶりの高値圏、本日の日経紙にも載っていたが「GINZA TANAKA」では一頃パッタリ見なくなった例の行列が再度復活し始めた模様で、昨今のアベノミクス効果で前回の持ち込み熱の時のように売り一辺倒ではなく買い替え若しくは購入組も可也交じっているのだろうか。

と、ここまで国内モノは円安分の恩恵があるものの、海外金相場は一服商状が続いていることから警戒論を論じる輩も居るが、本邦ではインフレにしようとしている機運のなか物価上昇の強さが魅力的、不動産なんぞと感覚は同じでより手軽に取り組める点は差し詰め関連株式やREIT等と同様で商品構成が多彩になっている現在、如何ようにもヘッジ構成が出来ようか。


IR模索

さて、先に多くの上場企業の決算関連重要情報がインターネット上で複数の投資家に閲覧されたという件について触れたが、その後の東証など全国5取引所による全上場企業対象の実態調査では、100社を超える上場企業がアクセス制限などの事前閲覧を防ぐ対策を取っていなかったことが明らかにされている。

この手は常に鼬ごっこの部分もあるので果たしてという感じもするが、こうしたディスクロも昨今の相場回復で外人投資家が回帰するなか企業への訪問依頼も格段に伸び、そうした観点からもIRの重要性というのも日に日に増している。

指定替えの問題も控えるなか、今まであまり外へ気を遣わなかった企業もそろそろ重い腰を上げる時期に来ているが、上記の件に関して東証等は上場規則に新たに事前閲覧を防ぐ為のセキュリティー対策を取ることも盛り込む方針とし、また金融庁も該当する非上場企業に対しても、公表前の決算情報等を外部から接続可能な管理サーバー等に保管しないよう通知することにしている。IRの進化もこの辺踏まえて模索すべきだろうか。


セルペンティが貢献

国内では今月下旬から決算が本格化し既に業績修正の発表などもボチボチといったところだが、ヨーロッパでは仏高級品大手3社の2012年通期決算が出揃っている。主力どころといえばやはりLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンであるが、此処は前期比12%増の13億ユーロ、またエルメスは同25%増の7億ユーロであった。

内訳として前者はブルガリのスネークヘッドが定番人気の「セルペンティ」コレクション等が順調で時計・宝飾部門が前期比46%増、以下セフォラ等が22%増、ワイン等が17%増、服飾・革製品が14%増、香水・化粧品が13%増と軒並み2桁増、後者も宝飾・家具が45%増、服飾・アクセサリーが22%増、時計が17%増とこちらも軒並み2桁増収であった。

欧州の景気停滞を他所にこの手は斯様に好成績であったが、新興国の伸びも後押ししたとの推測もある。ただ数度触れたようにこの高級宝飾・時計系の伸びは国内でも顕著で、百貨店大手などこうした伸びから株価の方も揃って年初来高値更新となっている。まあ全般高に連れているという面もあるが、PER等に目を瞑り何処まで値を飛ばせるか今後も引続き売上と併せ見てゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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