573ページ目

企業政策とファンド思惑

本日の日経平均は後場からジリ高へ転じたが、新興市場の方は来週にJASDAQ-TOP20指数ファンドの設定が控えていることもあり、朝方から中小型株への物色が活発であった。さてJASDAQといえば、先週は先にMBOの実施を発表した幻冬舎の株式を英領ケイマン諸島に本籍を置く投資ファンド、イザベル・リミテッドが議決権ベースで30.6%取得していた旨が話題になっていた。

同社は現況TOBを実施中であるが、その価格は一株22万円、直近の軌跡では先月末から手当てしていた模様。週末から株価は一服しているものの、曲がりなりにも買い付け価格を挟んで横這いであった水準を上回ってきているだけに予想外の第三者介入には一部で思惑も出ている。

当然その性格からは抜け目ないEXIT狙いというところだろうが、ファンドといえば2部に上場している都築電気にも約四分の一を待つ大株主としてあの高額納税で一躍話題になったタワー投資顧問が直近で登場している。こちらは元々子会社株のTOBに応じず後の株式交換に乗じ、首尾よく安上がりなコストで株式を取得出来たという計算である。

他にも、あの村上ファンドの辣腕組がシンガポールに拠点を置くファンドも一部親子上場組の株式を粛々と買い集めている動きあり、上記ファンド含めこれら昨今の上場企業の傾向を睨んでの動きとも取れるが、何れのパターンも会社の思惑通りに事が運ぶとは限らない例となっており今後も番狂わせ?なケースがまだ出てくる可能性もあるか。


狭まる効率営業

さて、今週は6日付けの日経紙にて「円高の年の冬ボーナス・外貨投資 狙い目は」と出ていたが、円高といえば先週あたりから入ってきたニュースには「通貨デリバティブ」を購入した中小企業が多額損失で経営難に陥っている事例から、金融庁が同商品の販売方法や取引先の損失状況などについて実態調査に乗り出すという報もあった。

そういえば先週3日付けの日経紙夕刊一面にも、06年から07年に発行した円高で支払い金利がハネ上がる仕組み債でここ近年各地方自治体が損失拡大しているという記事も目にした。しかしこの手の話は続々と出て来るが、今に始まったことではなく二年前だったか駒澤大学や立正大学のデリバティブ損失も大きな話題になっていた記憶がある。

さてこうした被害者?というか顧客側をザッと眺めてみるとなんとなくだが共通項は毎期決まった入り勘があって且つ特段設備投資の用もないというところが多い。辣腕の営業なら先ず効率を考えこの辺を集中的に落しに入ったのだろうが、幸運?にも手垢の付いていない向きなどは売る方が心配になるくらい決裁が単純なものという。果たして今更の大騒ぎになっている訳だが、この期に及んでどういった商品内容なのかを精査するところは少なくない。

ある程度の敗戦処理が片付いた段階で、顧客側もこの手の物への再考論など出てきそうだが、7日付け日経紙にも金融庁が金融機関に対して、投資信託を勧誘・販売する際の利用者への説明を丁寧に行うよう求める旨が出ている。証券界では所謂「仕切り」と共に長い歴史を歩んできたこの回転売買も然り、この時代になって漸く売りの手法も転機が近づいてきたという感じがする。


進展するか?総合取引所構想

さて、今週始めの日経紙社説には「もっと国際化を進めたい東京金融市場」として、株式や債券、商品などを一体的に取引できる「総合取引所」構想を政府が新成長戦略の一つとして進めている旨が触れてあった。

文中には「縦割り行政が解消されれば、例えば値動きが商品相場に連動する投資信託を東証に上場し易くなるなど、運用の選択肢の幅が広がる。」等も出ていたが、この辺は既に個別で進んでいる感じ。そういった意味では証券系の昨今の動きなどバブル期のそれとはまた違った感触も受ける。

漸く重い腰が上がり始めたかのようにも見えることで、東証ホールディングス説や日本アジアホールディングス説など様々な絵が彼方此方で喧伝されているが、持ち株会社方式を語る前にやはりネックになってくるのが省庁間のしがみつきだろうか。ぶら下がる各取引所にしても、ちょうど今のTOCOMと東穀取の関係に見られるように不採算の臭いがする向きとは一緒になりたくないという思惑もある。

そんな向きが混在しドロップアウト組も出始めた国内の各取引所は目下のところ地盤沈下が進行しつつあるが、周りでは10月に当欄でも書いたようにシンガポール取引所がオーストラリア証券取引所の買収に向けた動きを見せるなど粛々と事は進行中。そういえばこの一件でも大株主の東証には何の相談も無かったそうで、こんなところでも蚊帳の外?


脇役の脚光・2

昨晩のNY市場では金がまた最高値を更新していたが、メタル系では5日付け日経紙一面にも同市場で先週末の銀の国際価格が約30年ぶりの高値水準にまでなっている旨が載っており、週明けもまた続騰である。これもまた今迄述べて来たように米国の追加金融緩和で投機資金が流れ込んでいる影響が多分にあり、実物資産が次々とターゲットになっている。

さて、銀といえば先の10月にも取り上げた通り、先行する金を引き合いに金銀比価論や史上最高値までへの伸びしろなども取り沙汰されていたが果たしてこうした割安?感が奏功し消去法的な買いもそれを押し上げている。ファンダメンタルズとスペキュレートの両面でコモディティーはその値を形成しているが、工業メタルなどはファンダメンタルズが褪せると逃げ足も速い。ただ今回は金とのリンクがいわれている中、そうしたサポートもあって下値は堅いとの見方もある。

ところでこれに限らずサブ的なコモディティーの逃げ足が速いという部分には、かつて破綻したファンドや投機筋などが買占めを謀った例にも見られるように当然その市場規模という問題も背景にある。昨日は出来高を伴い住友鉱など物色されていたが、これとて銅絡みではLME在庫の半分以上を一部トレーダーが押さえているとかで警戒論も一部にある。

またここ数年ETFが増殖しているが、当初はこの市場規模云々で警戒論が其処彼処で飛び交ったものだ。事実水面下では上記の銅など地金不足で対応不可なケースも出てきているものの、それでも現在ではラインナップが続々と続く。結局その手当て買いも広義では上記の筋に近いものがあろうが、産業界では依然として警戒論が強いのも当然といえば当然か。


JASDAQ-TOP20

さて、ETFについて直近ではパラジウムETFや新規モノではVIX指数を対象にしたものなどに触れたが、新規モノといえば先週末には「JASDAQ-TOP20ETF」が先月16日の上場承認を経て大証に新規上場の運びとなった。

ご存知の通りJASDAQ-TOP20は、ジャスダックとヘラクレス(旧)の市場統合と共に算出が始まった新指数であるが、果たして初値は基準値1,597円を上回る1,623円で寄ったもののあと売られていたが、本日は全般膠着の中で新高値と順調な滑り出しとなっている。

しかし、やはりモノは新興市場だけに個別で時価総額の小粒な物はそのインパクトが大きい。組成の為に前日までに買い付けの用があるものの、上場承認時の先月16日から例えば「ベクター」は80,000円から152,500円、「ユビキタス」は143,000円から289,000円などそれぞれ株価は一週間そこそこで倍化するなど急騰、まさに新興市場の本領発揮といったところか。

斯様に当のETFが上場する前に目敏い向きは単発で一回転が利いたといったところだが、このETFなど安定してくれば機関投資家などのベンチマークとなる可能性が一段と現実味を帯びて来る。またこうした組成もそうだが他との差別化という意味合いも含め新市場の真価が問われてくるのはこれからだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2026

2

1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28