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アバクロ上陸

さて、今週なんといっても話題になったのはあの「アバクロ」が日本初上陸したことであろうか。今日も前を通り掛ったが、宛ら早めに開店したクラブのようであった。

この「アバクロ」ことアバクロンビー&フィッチについては当欄で10月にも「何れが黒船か?」のタイトルで既に一寸触れた経緯があったが、アジア初出店の日本で選んだ地は激戦区の銀座。しかも本格的にファストファッション熱を盛り上げることとなった、あのH&Mの至近距離でのオープンである。

此処といえばディーゼルなんぞの対で一頃はそのプレスでもストア・モデルから従業員の扱いについても人種問題を提議させるような話が持ち上がった時期もあったものだが、先週末にあったストア・モデルのお披露目ではさすがにロケーションを意識してかアジアやハーフやクォーターまで混合であった模様。

さて同じカテゴリーのアメリカ勢としては、今年の春に同様の激戦区原宿に進出した「FOREVER21」があるが、どう見てもこの「21」どころかその倍も生きてきたアラフォー(失礼!)と見受けられる方々までも彼女達に交じって買い物を夢中にさせているが、はてアバクロもそんな現象なるや否や。そうそう、近所ではこうした新興勢進出の対で松坂屋に入っていた「グッチ」がもうすぐ撤退する運びだが、この後には上記の「FOREVER21」が入るとかという話になっている。

また一つ銀座の風景が変る。。。


流行る?モラトリアム

本日の日経平均は小動きながらも3営業日ぶりの反発、そんな中でも一際目立ったのは三井住友FGの寄付早々のストップ高を始めとして、三菱UFJや他を引き離して東証全体の出来高トップとなったみずほFGなどメガバンク群の急騰であろうか。

メガバンクといえばこの夏場以降は、資本規制強化の流れからの大型ファイナンス懸念でなんともモタついた動きを強いられてきたものだが、こんな急動意の背景には本日の日経紙一面に載っていた通り、日米欧の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、大手銀行を対象とする新自己資本規制の導入を実質的に延期することで大筋合意した旨の報道の影響が大きいだろうか。

同措置に関しては金融庁の慎重コメントもあって不透明感漂うものの結局のところ導入するのには変わり無く、マーケットがこのあたりを見据えるかっこうで選別色が強くなる可能性も残るだろうが、モラトリアムものでは東証も今週には上場廃止基準の緩和措置を来年12月末まで一年間延長すると発表している。

この上場廃止基準緩和については昨年も当欄で触れた事があったが、何かこの延命措置とも取れるモラトリアムも昨今の金融危機の規模を考慮すれば致し方ないとも思うものの、こう数を重ねて慢性化するようになるとゴーングコンサーン注記等も然程警戒されなくなるのではという別な懸念も出てきてしまうのは否めないところ。


中小の悲哀と似非アナリスト

前々からこの手は云われていた事であったが、昨日金融庁は証券業界中堅のコスモ証券に対して、組織的に手数料稼ぎの為に不適切な勧誘で投信の回転売買を繰り返したとして金商法違反で業務改善命令を出している。

営業本部長の旗振りの下、営業員ごとに日々の販売残高や手数料収入の高い目標を設定、異なる顧客にブル型とベア型をそれぞれプッシュし頻繁な乗り換えを組織的に繰り返していた。コトの内容はザッとこんな感じだが、一昔前だったらまったく通常の或る日の一光景にすぎなかったものが随分とマトモになったなと改めて時代を感じる。

証券や商品先物業界においてもこんな営業本部長のような商いで昇格してきた一部の輩が、今では借りてきたような真面目ヅラでアナリスト等と名乗って随所でコメントなんぞを載せたりするようになった今日でも、同時にこうした化石のような営業形態が未だに業界では横行しているというのも事実で、こんな営業が無くなる日ははたして来るのだろうか?

そんな背景には昨今の市場低迷で売上確保が難しくなった部分があるとの指摘も一部にあるが、大手であれば先月も当欄で書いたように、それこそこんな中堅証券一年分の稼ぎを一発で弾き出せるプライマリービジネスでガッツリ稼ぐという手段があるが、それにとても食い込めず東証の上場くらいしか先行きの希望も無い一部企業のなんとも悲哀を感じるこのケースはいろいろと考えさせられる。


粉飾国家の芽?

本日は投資家のバイブル?会社四季報や日経会社情報の新春号発売日であったが、小反落となった本日の日経平均もその中身ではこれらに反応した個別もあっただろうか。

経済激動の昨今こうした企業データでも前号予測などと見比べるとトンでもなくギャップが出ているものも散見されるが、これが内閣府の発表モノという事となると一寸話が違う。先週の出来事というか発表で酷かったのは、この内閣府が発表した7-9のGDP改定値が11月公表の速報値に比べて年率で3.5ポイントもの下方修正になったという点であろうか。

先の「政府のデフレ宣言」を裏付ける結果と片付けてしまうのもいいが、何処ぞの粉飾企業のディスクロよろしく此処まで修正の乖離が大きくなってくると、これらもうかうか信用出来なくなってくるのは自然だろう。GDPなんぞはそれこそベタだが、これから各種統計やらが勝手に手直し出来る算出方法でこんなにギャップが出るようになったら最初から穿った見方で別な読みで数値を見るようになってしまうし、そうなったらこれはもう本来の用ではないだろう。

今月に入ってから株式市場はスルスルと約1,000円ほどの戻りを入れたものの、日曜の日経紙には世界的な株高基調の中で、総選挙のあった8月末以降の株価騰落率では主要20ヶ国・地域で日本株は唯一のマイナスとなり、出遅れが鮮明である旨が載っていた。相場も猜疑と信頼の中で揺れてくるようになるとこれまたややこしくなるか。


無知な机上論の危うさ

さて、本日の日経紙二面には小さく「嫌われ者」で意気投合?として、民主党の小沢幹事長と指揮者の小澤征爾氏の両者が、事業仕分けにおいて文化芸術関連予算が大幅縮減と判定された事に対しての対談が為されていたことが載っていた。

この辺は週初にも文化予算を大幅縮減するとの判定に対して、日本オーケストラ連盟など音楽関連5団体が緊急アピールの記者会見を開き民主党へ要望書を提出するなどの行動があったばかり。これに限らず物理モノから酒類関係まで何処も逆風に晒され怒りあらわの様相だが、中でも身近な分野でどうかなと思ったのは漢方薬を公的医療保険の適用外とする方向性が示された問題だろうか。

この報で真っ先に心中穏やかでないのはそれこそ大手のツムラなどか。同社といえば昔、カラ売り筋が戦局を有利に持ってゆく為にこれと同じ話を彼方此方流布した経緯があったのを思い出すが、まさかそれが今蘇るとは想像もしなかった。しかしそれ以前に我々消費者にとっても今流行りのインフルエンザから婦人科・小児科までその範囲は幅広く投与されているだけに、なんとも現場を知らない机上の空論だけで進められた構成のお粗末さは否めない。

漢方薬が保険適用外となれば、保険診療と保険外診療を併用する混合診療にあたり全額患者負担ということになるが、この混合診療とて現状は曖昧な一部解禁。以前当欄で「歯科医とコンパニオン」の項でも少し書いたが医療分野の技術革新は日進月歩、一刻も早い混合診療の解禁も願うところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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